2019年10月29日火曜日

バンコク, Bangkok/Vinyl Die Hards

サワディーカッ(プ)!
ということで今年は、前ぶりもなしに唐突に始まります、お待ちかねの?タイ王国、イサーン探訪シリーズ、2018年版!!!

ちなみに広大なかの地をあてもなく、気ままに彷徨った2017年版はこちらのリンクなどからどうぞ。


まずはバンコクからスタートします。

上の写真はバンコクの東の最果て、パラダイスパークという巨大ショッピングモールの向かいある、とあるコーヒーショップの入り口。

こんな感じの大きな幹線道路Srinagarindra通り沿いにお店はあります。左に写っているのがパラダイスパーク。最果てまでやってきて悠長にコーヒーブレイクか?しかしコーヒーショップの中に入るとこういう場所が・・・。

Vinyl Die Hards。さっきまで店の名前を「Vinyl Die Hard」だと数年間にわたって勘違いしていました。いずれにしても日本人が持ち合わせていないおしゃれなネーミングセンスですな。

昨年まではひと街区奥の、すぐ向かいにあるマンションの一階のテナントスペースでインテリアもいい雰囲気で営業していましたが、経営縮小傾向なんでしょうか、こちらの身内の?建物に移転してきました。いつもジェントルなおじいさんが店頭に立っておられます(実際は座っている)。もともとはこのおじいさんがオーディオショップを経営していたようで、真空管とかがいまだに置かれています。

在庫はほぼ99%が中古レコードで、アメリカ、ドイツ、日本からゴミとして最終的に流れてきた盤が99%を締めています。LP、12インチは一律300バーツだけど、日本盤だけ200バーツとなぜか地位が低いのであります!数年前、初めて旧店舗を訪れた時は、ランダムで無造作に詰め込まれたエサ箱をザクザク見ていると、国分友里恵のファースト・アルバムが「はい!ひょっこりはん」してきて「ドキッ!!!」としたのをよく覚えています。

その後も後日、四辺がレコード棚で鉄壁ガードされ、その中に埋もれているレコードの固まりみたいなエリアがあり、身長ほどある高さのレコード棚の頂上まで行儀悪くよじ登り、行儀良く棚の上に正座して、埋もれたレコードを上から掘り、なかなか珍しいものや人気の和ものを掘りあてたことも。レコード屋で棚の頂上まで登らないとレコードが見れなかったのは今のところこのレコード店だけです。

日本の「ゴミ」の破壊力をヒシヒシと感じられる場所でした(この店がアクセスしづらい場所に位置するからというのも大きな要因でしょうが)。

しかし、そういう楽しかった思い出も今は昔のはなし。それは和ものブームが東〜東南アジアのひとにぎりの人々に波及し始めたか、波及し始める直前のこと。

今じゃあ、バンコクッ子(+オッサンたち)の一部のレコードマニアも「シティポップ!シティポップ!」言うてはりますが、ほんの数年前まで、ほぼほぼ注目されておらず、中国や東南アジアは場所によっては「掘りロマン」に溢れていたのでありました。そういえば『釣り・ロマンを求めて』なんてテレビ番組があったのを「掘りロマン」と書いてから思い出しました。

ちなみに当ブログでアジアの「掘り・ロマンを求めて」いたときの記録は、PC表示に切り替えて「中国」とかのラベルをクリックしていただければご覧頂けます。

長い・・・

でた「長い」!

結局移転後はちょっと狭くなり在庫もスケールダウン。というかほぼほぼ新しくレコードが補充されている形跡がありません。この日はがんばって、まだまだマイナーな和もの2枚を400バーツで購入。

2019年10月16日水曜日

ストックホルム, Stockholm/そのほかのレコード屋

とにかく数が多いストックホルムのレコードショップ!釣り果があったそのほかのレコード屋を観光がてらでも簡単に行ける範囲で3軒紹介。ちなみに本当はVasastan周辺にも良いレコード屋が点在しているので、そう遠くはないし、時間のある時は足を伸ばしてみよう!

まずはAlley Stuff。中心ショッピング街Katarina-Sofiaの北端にあるレコード屋。店内はけっこう乱雑な感じ。なにかあるかなと思い店の奥へ奥へと潜っていくも、奥に行くほどなにもない。結局手前の方で発見した2枚を購入した。

ここは常にレコードが50%オフなので、「お得に生きがいを感じる」私のような人はぜひ行ってみよう。中学生くらいのオタク風の眼鏡の男の子も掘りにきていた。

次にPlugged Records。Gamla Stanの目抜き通りにあるレコード屋。観光地にあるだけあってお客が多そうだ。日本人のお客もふらふら〜と入店していた。中古レコードは少なく、CDも大して豊富でもなくといった塩梅。たぶん地下かどこかにイベントスペースもあるようで、ライブとかができるみたいだ。

超キャッシュレス先進国のスウェーデン、この滞在でも一度たりとも現金を必要としていない。120円のレコードを1枚買うのにカード払い。雨模様で手ぶらなので袋までもらって申し訳ない気分になった。

一番枚数を購入したAn Ideal for Living Stockholm。Katarina-Sofiaの中心のお洒落な雰囲気の地区にありアンティークショップも兼ねている。まず外に置いてあるエサ箱からかじりつき、スウェーデンものの欲しかったレコード2枚を安く発見。

入店し店内のレコードをチラ見したけど興味の範囲外。「ダメかね」と思ったところ、地下のダンジョンへと続く階段を発見!そこからがナカナカの魔窟だった。狭い地下室にスウェーデンもの含めレコードが満載だ。試聴機を長時間占有している客を他の客が注意していた。この魔窟をがんばって見てしまったおかげで夜になってしまった。5枚購入し、他の店で見つかるかもと思い1枚を放流。店のオヤジが少し値引いてくれた。

結局放流したこの ↑ のレコードが他店で見つからず、奪還しようと最終日に空港に行く前に少しだけ時間があったので再訪。すると定休日でもないのに店が閉まっていた。よく見ると極小さな張り紙が・・・


今日からバイイング・トラベルに行くから2週間休むね♡・・・

え、ちょ、エッッーーーーー (゚ρ゚)ノ !!!」


奪還作戦失敗、オワタ・・・そう思われた矢先、

店の前で少し大げさに頭を抱え途方に暮れていると、お兄さんが話しかけてきた。この店のスタッフだという。運良く店の鍵を開けてくれてお目当てのレコードを素早く回収完了。正にNOW OR NEVERな間一髪の奪還劇だった。お兄さんは最近東京で数百枚レコード買い付けて全部飛行機の預け荷物で持って帰ってきたという強者。

店が休みでレジが開けられないので、最終日にして初めてスウェーデンのお金をコンビニATMでおろすことになり、スウェーデンでのキャッシュレス滞在を完遂できなかった。

2019年10月3日木曜日

ウィーン, Wien/Sing Sing Records

ブタペストからバスでウィーンに到着し、ちょっと郊外で用事を済ませて向かったのが、こちらSing Sing Records。圧倒的に目立っている外観。伝統と現代性が融合するウィーンらしさを感じさせる。と言うと大げさか。久々の2度目の訪問。

今ブリューゲルの「バベルの塔」がウィーンにやってきていて、街のあちこちにポスターが張られていることに気がついた。この日にしかチャンスがないので「おれバベル見てくるよ、ウェーイwww」と店のオヤジとオバはんに荷物を置かせてもらい、ダッシュで近所の美術史美術館へ。するとブリューゲルの企画展は本日入場終了。企画展あるあるの早く終わるパターンだ!

肩を落としとぼとぼとSing Sing Recordsへ戻ってきた。結構な幅の道路の反対側から見てもこの目立ちよう!近くには人気店Moses Recordsもあるから合わせて訪れてみよう。


いい意味でなんだかカオスな店内。3つの部屋に分かれていて端から端まで見たらきっと丸一日は楽しめるだろう在庫量。時間もお金もないので、見る場所を限定し、まずは奥の部屋のジャズコーナーへ行き高速堀り、それからほんのちょこっとあるワールド箱にかじりつく。

ロック好きの店のオヤジとオバはん、ライブのビデオを流しながらカウンター内でずっと小躍りを継続している。預けた荷物が彼らのステップで踏みつぶされないか心配。カウンター前では座って勝手に試聴可能。

向こう側がポップ・ロックのレコードコーナー。さらに右の奥の方にジャズ・フュージョンコーナー。良心的な値付けのお店だ。

Egberto Gismonti Group/Infância、10EU。
Gismontiのレコードを見かけるたびに思うことは、なんだか海外では知名度がとても低いこと、そして日本のレコード屋のセールでは、いつも値付けが高いので常に残っている。Nando Carneiro、変質的なグループGroup UmのベーシストZeca Assumpção、教授とのプロジェクトで日本でもおなじみJaques Morelenbaumが参加のグループ名義の作品。

Various/Grèce documents recueillis par Domna Samiou、8EU。
Domna Samiouというギリシャの民俗学者がコーディネートしたフィールドレコーディングもの。地中海のかほり。

Various/Ladakh - Musique De Monastère Et De Village、9EU。
チベットとパキスタンに挟まれたインド北部Ladakh地方のフィールドレコーディング。A面は僧院の儀式、B面は村の音楽を収録。女声、シャーナイと思われるダブルリード、太鼓によるB面2曲目が放っている霊気が半端ないです。音質面でも生々しさが素晴らしく、これは特Aクラスの一生もの。