2017年1月24日火曜日

バンコク, Bangkok/フォーチュンタウン(Fortune Town)はレコード万国博覧会状態だった!




バンコクのメトロRama 9駅の目の前のフォーチュンタウンという電気街的なビルにはVinyllicaという大きなレコード屋の他に数件のレコード屋が入っているという情報を元に行ってみた。


3階に上がると何やら通路にレコードを陳列している最中じゃないですか!
聞いてみると翌日からレコード・オーディオフェアらしく、その出店準備をしてるそうだ。たまたま閉館3時間くらい前に行ったからこそ出会えたこの光景。街を歩けばレコードに当たる、というかレコードが勝手にこっちに歩いてきたような感覚。


明日からスタートなのにお客さんがエサ箱にかじりついてるので便乗。
午前中に中華街で苦悶の末に数年ぶりに思い出した魔法のコトバ、「モーラム」を使って在庫から取り出してもらって試聴してみた。結構良いが1000バーツ〜とお高いのでスルー。
モーラムのLPは似たよう曲がばっかり並ぶことが多く、飛ばし飛ばし一聴しただけではその良さが分からない。変則的な曲が紛れていたりすると、お!ってなる。
この店はフォーチュンタウンの割と近くの地区で店を構えるレコード屋で、フェアに出張してきていた。ショップカードを貰った気がするけど名前を失念。


次にこの店、P&P audio。
外から台車でレコードがどんどん運ばれてくる。英米の他に日本盤が多い。レア盤なんて期待できない感じ。出どころは似たような場所だろうけど広州と比べて音楽的にはまともにセレクトされたものが並んでいる印象。でもいいものは抜かれたあとだなとも思った。
2枚買うと半額になるよ!的な張り紙があったので2時間くらいかけて洋楽ディスコのLP(300バーツ)とジャケが泥水に浸かったと思しきモーラムのLP(300バーツ)を抜く。
半額だから2枚合わせて300バーツだなと1000バーツ札を渡すと400バーツしかお釣りが返ってこない。なんでだ半額じゃないの?!と張り紙を指差して主張すると、タイ音楽はセール対象外。泥水漬けのモーラムを300バーツ(900円)でつかまされた。
そして残りの300バーツでもう一枚レギュラーLPを持って帰れるはずなのでまた掘る。洋楽のLPゲットしたところで閉館時間。
今日廊下でレコードフェアの出店準備をしていた店はまだ他にもある。期待大だ。明日また来ようと思った。


翌日、午前中に野暮用を済ませお昼くらいにフォーチュンタウンへ再び乗り込んでみた。


2階ではオーディオフェア開催中。


今日はこの店から。確か記憶が正しければ店名はAudio Minute。
出張組。30%オフ〜半額セール中だった。和物2枚とSuzanne CianiのLPを購入。


ここも店名を失念。出張組。地図に店の位置を打って貰ったけどデータが消えしまった。ショップカードもらったはずなんだけど…
この手前の7インチボックスからカンで50枚くらい抜き出す。


そして裏にちょうどいい感じにベンチがあったので、抜き出した50枚をゆったり1時間くらいかけて聴きまくった。1回あたりの試聴枚数の自己記録を大幅に更新した。
セレクトを重ねタイファンク的なものも含めかっこいいルークトゥン中心にシングル10枚を購入。1000バーツ。モーラムは1枚買ったか買ってないか。この店があったおかげでタイ音楽にズブの素人の状態からズブズブとハマっていくことになった。
週末もっと7インチ持ってくるよというので、また後日訪れたけど増えていたのはジャケ付きのEP。せっかく来たのだからと先日の倍はあろうか100枚くらい抜き出し、また視聴。社交辞令でEPも視聴するけど100%の確率で退屈なルーククルン。結局シングル9枚、900バーツで購入。


肝心のVinyllicaは2階に発見するも閉まっている。タイ語で張り紙が貼ってあったけど閉まっている理由は分からない。


その後常設レコード屋をハシゴしているとレコード100円市でよく見かけるパンキッシュなおじさんを発見。タイの中古レコードディーラーか?!CDコーナーを物色中だった(上の写真の人物ではありません)。
このフォーチュンタウンウロウロして分かったことは、常設でレコード屋が10店舗くらい入居していることでレコード屋モールと言っても差し支えないレベルだということ。さらにこの時は出張組のレコード屋が来ていてレコードのバンコク博覧会状態だった!

2017年1月23日月曜日

バンコク, Bangkok/中華街の超老舗レコード屋街詣で(old record stores in Chinatown)




常夏の国タイの首都バンコク、最近のブームの影響か本当にレコード屋がたくさんある。道を歩けばレコードにあたる街だ。
その中でも在りし日のタイのレコード産業の一端を垣間見れるのが、中華街のCharoen Krung Rd沿いに並ぶ数件の老舗レコード屋だ。バンコク上陸の記念に中華街にレコード屋詣でをしてきた。


まずSoi11が交差する角地にあるのはこちらTang Sieng Thai Record Store(ห้างแผ่นเสียง ตั้งเสียงไทย)。
もちろん中華街にあるということは華人が昔から営んでいるレコード屋。少数のリリースながらおそらく自主レーベルも持っていたようだ。


道に向かって開け放たれた店内に足を踏み入れると壁一面に並べられた極彩色のレコードジャケットが出迎えてくれる。キョーレツで、圧巻だ!
おじいさんとお孫(娘?)さんが対応してくれた。


南国感満天のビジュアルと熱気、道路からの騒音にかき消されよく聞こえない古ぼけたスピーカーから流れる強烈な音楽。シングル1枚を200バーツで購入した。
あとでちゃんと聞くとバリバリの80年代のタイのポップスだった。これもいい勉強。


次は数件西に進んでCathay records。


ここは広い店内にレコード現役時代の7インチの在庫が当時のまま大量に陳列されっぱなしなのが印象的だった。


エスニックな絵ヅラにクラクラする。でも中身は今から思うとたぶん退屈なルーク・クルン…


ホテルにバッテリーを忘れて視聴できないので何も買わない。


レコードに変わって80年代主役に躍り出たカセットテープも大量在庫!


カセットテープにはいいものが残っているのだろうか?タイ語読めないし全くわからん。というかタイ音楽ズブの素人なので手が出せない。


最後はもう数件西に行くとBroadway Record Store。
ここはジャケなしシングルレコードがガラスのショーケースの中に鎮座されていた。ほとんど黄色と赤のレーベルのものだった。店の片付けの最中らしくゆっくり観れる雰囲気はなかった。

バンコクの中華街のはずれのレコード屋街、多くのタイ音楽ディガーが訪れる場所だけあって良いレコードにはなかなか出会えないかもしれないが、独特なノスタルジックな雰囲気に浸れるだけでもオススメ。まさに「詣で」という言葉がピッタリの場所だった。

2017年1月18日水曜日

ハノイ, Hanoi/TRANDUC's STORE







中国の広州でレコード墓場に辿り着けず夢半ばのままたどり着いたのは隣国のヴェトナムはハノイ。
ハノイにはネット情報によると1件だけレコードがあったようだが何年か前に閉店してしまったらしい。その事実を知らずに入居していたビルの場所を見つけたが、管理人のオヤジがビルに入れてくれない。管理人と格闘するもムリ。スコールに見舞われ踏んだり蹴ったり。中に入っていく女の子に隙をついて英語で理由を聞くと、どーやら土曜日だかららしく月曜に出直すかとホテルに帰った。
その夜ヴェトナム人のジャズコレクターの知り合い2人にヴェトナムのレコード屋事情をメールで質問してみた。すると片方から有力情報が!今日管理人と格闘したビルにあったレコード屋は閉店。そしてもう一軒現在も営業しているレコード屋があるそう。早速行ってみることにした。





場所はハノイ市民の憩い場所、ホアンキエム湖から南に延びるHang Bai通り29に位置している。なかなか入り口が分からずウロウロするも何となく入ったゲートの先の路地に看板発見!





右に進めと書いてある。





次は左に進めと書いてある。この路地は完全に集合住宅の通路でそこをズンズン進む。





もう一回左に曲がり、突き当って右を向くと階段の先に店舗らしきものが。店にたどり着くまでの過程がワクワクする!期待が高まる!!
しかし高望みは禁物だ。ここはヴェトナムなのだ。
レアなレコードがザクザク独り占め!
とかあり得ない、と怠惰な気持ちを引き締めながら階段を上った。





TRANDUC's STORE。
中に入ると店主らしき男性がまったりしている。とりあえずレコードの詰め込まれたエサ箱を手前からチェック。
ん!ここはジャズコーナーだな。このネズミマークのレコードはどっかで見たことあるぞ。しかもいっぱい出てくる〜とボーッと眺めているとThree Blind Miceであることに気がつく。掘っても掘ってどんどん出てくる。
レアなレコードザクザク独り占め!
と一瞬思うも値札の書き方がレア盤だけドル表記であることに気がつき、しっかりと適正な値付けがしてあるので意気消沈。当然日本より高い。
しかしこんな一気にTBMを見たのは初めてだ。リサイクルショップのウブ荷から108円で4枚買った時が今までの最高記録だったが大幅に更新。昔は和ジャズは格安でエサ箱に放り込まれてたらしいがそんな時代は知らないので、見ているだけで幸せな気持ちになってしまった。





店主にレコードはどこから仕入れるの?とインタビューするとこういったレアなジャズは日本から、そのほかは広州のレコード屋から仕入れているよとのこと。
ヴェトナムでは中古レコードの輸入は準禁制品になるらしく高い関税を払って外国から苦労して持ち込むようだ。そんな貴重なレコードを小さな愛好家コミュニティで大切にシェアしている。外国人が踏み荒すべき場所ではないと痛感。





しかしこのレコード屋の魅力はレコードではなく現行のヴェトナム音楽のCDだと感じた。
地元お客がどんどん入ってきてステレオセットでCDを視聴して買っていく。
海賊盤がほとんどのヴェトナムだけどこの店は"Original"と看板にうたっているように全て正規盤を扱っている。
ハノイを訪れた際は、現地の良質な音楽を求めて訪れてみてもよいかも。





最後にも一度、地図で路地をどう進むかおさらい。

2017年1月2日月曜日

広州, Guangzhou/佳東音响城のレコード屋あれこれ




なんとなく偶然たどり着いた広州の佳東音响城。正式名は佳東国際音响城?最寄り駅は地下鉄の市二宮駅。


城内の様子をレポート。6割はオーディオ専門店。2割はオーディオとレコードの併売店。そして残りの2割がレコード専門店といった割合だった。


やはりここもレコード墓場からかき集めてきたレコードを中心に売っているようだが、盛賢大沙頭旧貨市場に比べて大分マシなセレクションをしている。あくまで比較だけど。


このノルウェーのレコードはやたら中国で人気のよう。深圳でもオリジナル盤が売られていた。これは帯付き再発。


店の雰囲気もいい店が多い。


ここはレコード専門店。


ハゲのおっさんのレコード屋だろうか?


広物に特化した店。


最後にレコード墓場のありかを探るのを再挑戦した、しかしこの電子城でも撃沈した。もっと腹をくくって探さないと見つからないようだ。覚悟が全然足らなかった。ちなみに広州にはもうひとつ音響系の電子城があるようでこちらはネットでヒットしていたけど時間がなく行けなかった。
http://www.avfline.com/bbs/portal.php?mod=view&aid=1529