2017年8月30日水曜日

ドノスティア, Donostia/Beltza Records




ビルバオから車で小1時間、同じくバスクのドノスティアまたの名をサン・セバスティアン。美食の町としてその名を轟かし、観光客は旧市街のバルをみんながハシゴする。冬だけど温暖な天気のなか昼間っからバルハシゴが幸せすぎてベロンベロン!
そんな旧市街の中の外れにあるのがBeltza Records。もうスペインのレコードは買い尽くした感があるので何も買わなかったけど在庫量がかなり素晴らしいのでご紹介。バルで食べ歩きのついでに行ってみて損はないかと!

2017年8月25日金曜日

ビルバオ, Bilbao/Power Records




スペイン東北部のバスク地方の中心地ビルバオ。グッケンハイム美術館を中心とした美しすぎる街。人々の顔つきもスペイン人のそれとはかなり異なるので異国にやって来たよう。ビルバオでは1件だけ中古レコード屋がある。Power Records。


店内は広くて在庫も豊富。お客が次々に来て名盤の新品レコードを買っていく。やはりスペインのレコードブームは熱い。コンサートのチケットかなんかもさばいていた。


高い天井を生かした店内のディスプレイがとても素敵!
スペインは地方を移動するごとにガラッと掘れるものが変わる。なかでもバスクは民族意識の高まりとともにご当地レーベルからたくさんのタイトルがリリースされていたのもあり、この店ではバスクのレコードがバンバン出てくる。20枚くらい抜き出して視聴させてもらった。


Ganbara/Banan Banan、14.5EU。
バスクを代表するレーベルElkar。日本でもプログレ好きに知られるレーベル。まだ聴いてないが変則的なフォークだったような覚えが。


Jesús Mari Esnaola/Ate Ilunak、7EU。
バスクの美しい風景を彷彿させるピアノソロアルバム。これもElkarから。


Fania/Deja Hablar Al Tiempo、7EU。
ずっと頭の片隅で程度ではあるけど探してた一枚。ビルバオ出身の歌手。Suso Saizプロデュースで悪いわけがない。けども日本でスペインからわざわざ送料払って買うレコードでもないのでラッキー!

2017年8月24日木曜日

ポルト, Porto/ウナギの寝床みたいな細長レコード屋8mm Records




ポルトガル北部の街、ポルト。突然の豪雨が降ったり止んだりで観光もままならず。レコード屋を数件まわるもまったくのノーラック。最後に辿り着いたのがここ8mm Records。
住所を頼りに探すも全然見つからない。諦めて帰ろうとしたとき扉に小さな表札がかかっているのを発見。どう見ても民家の玄関なんですけども、と心の中でツッコミながら扉をノック。中から髭を生やした男性。
中に入ると細長い廊下みたいなところにレコード棚が。聞くとこの場所は自宅レコード屋。彼は8mm Recordsというレーベルをイタリア人と運営しているようで、エクスペリメンタルミュージックをたくさんリリースしているそう。日本の地下アーティストもカタログ内に揃えている。
そんなことはまったく知らずにやって来た日本人は、日本のアンダーグラウンドミュージシャンの名前を並べ立てられてもチンプンカンプンで会話にならない。裸のラリーズとか、彼は相当そっちの方のオタクだ。ヘンテコな日本語が飛び交う。YouTubeのパワーはすごいと認識。ちなみにミュージシャンでもあるそうだがシャイなのか自分の音源はかけてくれなかった。


ポルトガルの面白い実験音楽を教えてよ!すると取っ替え引っ換え棚から引っ張り出してくれて、パソコンで聞かせてくれた。2階のリビングのソファーでもレコード鑑賞。プライベートレコ棚には細野晴臣からコンゴだかトーゴだかのレコードとかが。


Rão Kyao/SaX、20EU。
なんだこのベタなタイトルとシンプルなジャケット…自信の表れだろうか。もうひと作品も聴いたけど、こちらをモーダルな美しい曲が2曲あったので購入。この人の同じ横顔を写したスリーブで横笛を吹いているアルバムは腐るほど出て来たけど、このアルバムは初めて。


Various/Antologia De Música Atípica Portuguesa Vol.1: O Trabalho、16EU。
聴かせてもらって最初の3秒でぶっ飛んだコレ。何やらポルトガルの高名な?昔の労働歌のフィールドレコーディングを素材に現行のポルトガルのアーティストたちが煮たり焼いたり好き勝手しているアルバム。映像的な感じで素敵、面白い!


Suishou No Fune/Bonsai No Ie、プレゼント。
おまけでくれた日本のグループのレコード、フロム8mm。盆栽乗れ?謎の自家製カセットテープもくれた!ありがとう!

2017年8月18日金曜日

リスボン, Lisbon/Twice




ポルトガルの首都リスボン。坂だらけの街を行ったり来たり、いくつかレコード屋を巡るもカーボヴェルデもの1枚以外はさっぱりの釣り果。ポルトガルのご当地ものはあまり肌に合わないかなーと思いながら、疲れて最後に辿り着いたのがこちらTwice。結構街の中心部から距離がある。


店に入ると聞き覚えのある曲がかかっている。だけど思い出せない。


YMOだった。台湾人の友達がプレゼントしてくれたらしい…素敵。いくつか視聴して1枚だけ査収。


Júlio Pereira/Os Sete Instrumentos、5EU。
ここに来る前に散々見かけたが一律10ユーロだったのでスルーしてたもの。ちょっと電子がかったポルトガルフォーク。

カサブランカ, Casablanca/Le Comptoire Marocain de Distribution de Disques




先日地元のとあるレコード屋でレコードを漁っていると、テレビ番組制作会社のスタッフがやってきて店主に話し出した。「車あるんですけど...?」という番組で車を所有していない一般人が車を借り受けて好きなことに使う番組らしく、今回はズバリレコード屋巡りに使うそうな!交通費タダ、あーうらやましい。世界のエサ箱からにもスポンサーが欲しいこのごろ…


モロッコのカサブランカにはもう一軒レコード屋がある。Le Comptoire Marocain de Distribution de Disques。GAMと同じ通り沿いだったかな?
最初店に着くと閉まっている。しばらくしてまた行ってみると開いていてふたりのおじさんコンビが。だけどもう夕方の5時なので明日来るよと約束。年配のおじさんがメッカに向かってお祈りを始める。


モロッコとアラブ圏のレコードオンリー。ここもレーベル"Koutoubiaphone"を持っていてその時のデットストックがたくさん眠っている。最近モロッコ外でやり取りされているモロッコのレコードはここが出どころかと。


時間がストップしてしまったような店内。眺めているだけ圧巻。飛行機までの時間がギリギリなのでおじさんが勧めるものとジャケットを眺めて勘でEP20枚とカセットテープ数本をひとつかみ。
その後空港内を右に左に猛ダッシュすることに…


5週間後再訪すると顔を覚えていてくれた。今度は造り付けの家具の中に設置されたプレイヤーでゆっくり視聴しながらEP22枚、LP1枚、カセットテープいっぱい購入。視聴して買ったから今度ははずしが無い。
その後空港内でカセットが爆弾と勘違いされることに…

2017年8月9日水曜日

カサブランカ, Casablanca/DISQUES GAM




モロッコの旅も終盤。飛行機に乗るためにやって来たのはモロッコの経済の中心地だというカサブランカ。ピカピカの路面電車が走っていたりしてかなり都会。都会ということはレコード屋があるはず!
往時のモロッコのレコード屋はそれぞれ自社レーベルを保有してレコードをリリースしていたそうで、こちらDISQUES GAMもそのひとつ。ただここが特殊なのは欧米の音楽、ロックやソウル、ファンクの影響を受けたレコードを作っていたこと。ちょうど昨年から今年にかけて人気タイトルと未発表録音が連続でリイシューされたりしている。
店に入ると欧米からのオバはん2人組が店主のおやじさんに通じない英語でなにかまくしたてている!まさかレア盤を出せ〜や!と凄んでいるのか?先を越された!オバはん恐るべし…と思いきや、どーやらホテルに帰れなくて店主に聞こうとしている模様。
オバさまたちには一刻も早く出て行って欲しいので地図アプリでホテル名を検索したら、ほんの1ブロック先。案内しおえてお目当のエサ箱へ!モロッコのレコードをください!
店内は戸棚の中にフランス、ヨーロッパからの輸入盤中心に全てデットストックのレコードがいっぱい。当時のDISQUES GAMのリリースが産み出された文化的背景がうかがい知れる。他のレコード屋よりもかなり尖っていただろうな。ちょっと期待していたサハラ以南のフランス語圏のレコードは全くない。アラブ圏の他国のレコードが少々。英米のニューウェーブやレゲエも少々。カセット、CDも。地元の女の子がレコード探しにきてたりして素敵!


Nass El Ghiwane/Nass El Ghiwane、300DH。
モロッコのレコード下さい!と言ったら出てきた一枚。モロッカンモダンフォーク。ポンコツポータブルで聴くとプレスの質が悪すぎて音楽を聴いているのかノイズを聴いているのか分からなくなってくる。オヤジさんにディスカウント?と聞くと一笑に付される。高い買い物になってしまった。これも勉強。


Naima Samih, Abdou El Omari/Khallani Ghriba, Zifaf Filada、200DH。
Naima Samih, Abdou El Omari/Rmani Rih、200DH。
翌日勉強し直し再戦。DISQUES GAMからのEP。流麗なアラビアン歌謡ジャズファンク。ポンコツポータブルで聴いても分かるクオリティ。オヤジさんに昨日も買ったしディスカウント?と聞くと一笑に付される。これも勉強。
そして5週間後再訪するもやっぱり一笑に付される。

神の国マラケシュ、楽器屋の店主のレコードコレクションを見せてもらう




モロッコの古都、マラケシュにはレコード屋はないということが下調べ分かっていたけど、散策時念のためレコードセンサーをオンにしてたらガラス窓の向こうに大量に陳列されているじゃないですか!ものの10分くらいで見つけちゃったか⁈


ウードが陳列されている背後に大量の欧米のレコードが!聞いてみると楽器屋のオヤジさんのパーソナルコレクションだそー。感服だ。けど残念買えない。
そんなこんなでマラケシュ。ジャマ・エル・フナ広場はまさに文化の坩堝、熱狂と喧騒、さまざまな極上のモロッコ大道音楽を味わえる!

2017年8月5日土曜日

フェズ, Fès/Talaa Kebira 43(迷宮の中のレコード屋)




スペインからジブラルタル海峡を渡ってはるばるやって来た北アフリカモロッコの迷宮都市フェズ。旧市街のメディナはGPSなんかあてにならない本当の迷路だ。歩いている時に話しかけてきたオッさん曰く、通りの数が1万?くらいとか!
とあるカメラマンさんのブログによるとフェズにはレコード屋があるとの有難い事前情報が。しかし場所が書いてあるわけでもないし、どうやって探すか?
足を使って聞き込んで回るしかない。ヨーロッパでなまってしまった身体にとって、こういう体験はひさびさでワクワクする。あーまがいなりにアジアで掘ってきた感覚がよみがえる!


とりあえず2つある目抜き通りのひとつにカセットショップがあったのでそこのオジさんに聞いてみることに。目の前でまーるい円盤を宙に描いてみると即座に「ヴァイナル」と返ってきた。旅行者に聞かれ慣れているのだろうな。
オジさんによるとレコードを扱う店がひとつ向こうの道にあるという。この街に着いた直後に舐めてかかって宿に着くまで散々迷い2時間くらいを要しているので、ひとつ向こうの道と言われても辿り着ける自信が全くない。紙に道の名前と店(営業者)の名前を書いてもらった。シュクラン!


翌日メモを頼りに散々聞き込みをしながらのんびりとお店を探したらちゃんと見つかった。メディナの目抜き通りのうちのひとつ、Talaa Kebira 通りの43番。帰国後の荷物整理中に不覚にもメモを捨ててしまったので店(店主)の名前が今となっては分からない。なので便宜的にTalaa Kebira 43。
かなりご高齢のおじいさん店主がいらした。耳が遠く動きがスロー、接客してもらうのがなんだか申し訳ない。結論からいうと置いてあるレコードの内容としてはかなり厳しい。自分のような外国人観光客来る日も来る日やって来て、安いのをいいことに買い漁って行ったのだろう、無残…
でも記念にモロッコの裸のシングル3枚を適当にセレクトして75DHで買ってみた。でもそのシングルたちはいつの間にかどっかに消えてしまって見当たらない!他のLPのスリーブにでも突っ込んだままなのかな?買った直後に宿で聴いたので、その点ではまだ良かった。


写真の許可を頂いたので最後に壁レコードをどうぞ。

2017年8月4日金曜日

マドリード, Madrid/Discos La Metralleta




スペインの首都マドリード、なんとなくやって来て期待もしないけど、やはりなんとなくレコ屋に足が向いてしまう。このDiscos La Metralleta、入り口からして特殊。「P」と書いてある地下駐車場へ降りていく通路内にある。隣は歴史ある修道院で観光客も。特殊立地といえばほぼ駅の中にある本八幡のワークスを思い出す。


なぜか店が3つにセパレートされていて会計も別。一番広い店の入り口にはファンキーマネキンが出迎えてくれる!


3つにセパレート、昔お家騒動で分裂したに違いない…どの店舗もマドリー屈指の繁盛店だ。


真ん中の店、レコードが充実。収穫はこの店舗のみ。英語全く通じず。抜いたレコードを適当にエサ箱に戻そうとすると怒られる。几帳面なようだ。スペイン各地のフォークコーナーが充実していたけどここは視聴できないのでなかなか手が伸びない。ねだったら6EU負けてくれた、また来ます!


Jordi Sabatés/Tot L'Enyor De Demà、12EU。
地中海芳醇音盤。安定のクオリティ!前作"Ocells Del Més Enllà"は屈指の名盤、ジャンルとかくだらないことは気にせずぜひ聴いてみてほしい。


OCQ/Metalógica、9EU。
過度な禁物はせずとも、レーベル買い。ニューウェーブやポストパンクのフィルターを通過したようなパンキッシュなアヴァンギャルドジャズ。なかなかかっこいい。


Babia/Oriente - Occidente、44EU。
後の"El Cometa de Madrid"のキーパーソンたちが参加のグループ。半分インド音楽。スペインの有名フォークロックレーベルからリリースされているところも含めていい!

2017年8月2日水曜日

バルセロナ, Barcelona/KEBRA DISC




前回紹介したバルセロナのDiscos Revolverの店舗その1と店舗その2の間にある通りCalle de Sitgesには小さなレコード屋がいくつかある。中でもこのKEBRA DISCはオススメ!


いつ行っても閉まっていて潰れちゃったのかなと思っていたけど、夜通りかかったら営業していた。そのことを店主に伝えると18時開店だそう。ロック中心にレア盤が多い印象。


Albert Giménez/各種、20EU。
2、3年前から勧められたりで欲しかったけど値段が意味もなく高くてスルーしてて忘れてたギタリスト。どんな音楽が好きか店主とあれやこれや話した後、自分は「美しい音楽」を聴きたいという極めて抽象的な結論に至り、なにかを察したようで出してきてくれた。同じ自主レーベルからの7インチEPも出てきたけど同じ値段だったからネゴするもスリーブに「Mini LP」と書いてあるからという理由で成功せず。大事に聴いていきます。