2019年1月21日月曜日

ストックホルム, Stockholm/Mickes

スウェーデン、ストックホルムにはレコード屋の数が多すぎる。そしてかなりアチコチに散らばっているもんだから、旅行者が全部回るのは至難の技だ。世界の村上春樹がストックホルムはレコード掘りが北欧の中でいちばん面白いとインタビューで答えていたが、そうかもしれない…時間さえあれば、雨さえ降らなければ…と、ぶつぶつ言いながらいちばん最初にやってきたのはHornstull という場所にあるMickes。周辺には他のレコード屋がなく、レコ屋巡りにおいて最も後回しになりやすそうな立地条件。

なぜいちばん最初に来たかというと、この店は夜遅く、なんと22時まで営業していて、まさかの週7日間営業という離れ業をやってのけている店だから。日曜日なのにレコ掘りができる!

メインスペースにロック系のレコード、隙間に安レコ。奥の通路にスウェーデン中心に北欧ローカルコーナー、その先の別部屋にジャズコーナーがある。ローカル盤に関してはプライスラインは他店よりやや安め。

ローカルコーナーをサクサク。ほぼ全て未知のレコードなので試聴しながら吟味。途中、散歩中の犬が入ってきた。

写真を撮るぞと言ったら店の親父は慌てて歯抜けになっていた壁レコード6枚を適当に埋めだした。そんな適当な壁レコードたちを激写。

Vargavinter/Vargavinter、50SEK。
アラブからマリのバンバラまで世界各地のトラッド、フォークロアを下敷きにした万華鏡的ジャズフォーク。70年代のスウェーデンにはこういうタイプのグループが非常に多い。カリスマティックな女性ボーカルもいい感じ。

2019年1月7日月曜日

ワルシャワ, Warsaw/Muzant




ポーランドの首都ワルシャワ。ポーリッシュジャズや共産変態音楽のレコードをGABBA GABBA HEY!と意気込んで乗り込むもどの店にも「そもそもない、あってもズタボロ、そのくせ高い!」という定番の三重苦。基本的に中古レコードのマーケットとしては西側の音楽がメイン。手ぶらのまま4店舗目で辿り着いたのがここMuzant。ショパン博物館の近くにある。


表通りからではなく中庭からアクセスする。このヨーロッパ特有の(といっても滅多にないけど…ワルシャワには数軒あった)「中庭アクセス型」のレコード店で数分間かけて入り口を探し出す過程は定番でありますが、そもそも行く前にそういった情報は皆無なので諦めずに探す。さらに半地下なので分かりずらい、ここは文句なしの難易度”A”。


入ると壁一面のPolish jazzシリーズがお出迎え!!高いので買わない。というかTomasz Stańkoぐらいしか知らない。


外のエントランスのイラストに描かれた蓄音機が鎮座。老舗感すごい。


天井が真っ黒にペイントされた店内。昔のHMVを思い出す。明るさを補うために照明を多用。ここは西だろうが東だろうが等価にレコードを扱っているので好感度大でポーランド盤も他の店より多くある。あとポーランドなのでイスラエル盤も少々。冷戦時代のポーランドではプレスされたレコードの多くは外貨獲得のために近隣国へ輸出されていたようで、国内には広さのわりにもともと少ない。特にLPはコレクターによる囲い込み、外国人による乱獲でポーランド内のレコード屋ではもうほとんど枯渇状態。ネットにいっぱい売っているからといって現地にも安くいっぱいあるとは限らない。なのでここは貴重な店だと思う。皆さま節度を持って買い物しましょう!


「まけて下さい」というポーランド語をスマホアプリからさりげなく流しお会計する節度なき日本人。茶袋にスタンプという形式のショップバックに感動してしまう。


Ossian/Ossian、80PLN。
試聴してなかなかだったので。コツコツ集めているポーランドの儀式宇宙交信系グループ。やっと2枚目。このペースだとあと20年はかかるな。B面にStańkoが参加している。