2022年12月31日土曜日

2022年ベストディスク11!(暫定版)

 今年はレコード屋へ出動する回数がやや増えたような気もするけど、海外のレコード屋にも行きたい!そんなこととは関係なしに日本国内/国外リモートで今年収穫した100枚くらいのアルバムから2022年の私的ベスト11は未聴盤や未だ受け取っていない盤も結構あり選びきれなかったので、とりあえずの暫定ベスト11!(送料含む)

Joni Mitchell/Hejira、¥1100
リサイクルショップで購入。参加メンバーのおのおのが音と音で会話しているような楽曲たち。着地せずにふわふわ〜っと漂うように移ろいつづけるメロディーが心地よく永遠と聴いていられる。

Holger Czukay, Jah Wobble, Jaki Liebezeit/Full Circle、¥3396
ヤフーオークションで購入。クラウト臭は薄めだけど、ポストパンク、レゲエ、ダブ、中近東なんかが色々がグッチャグチャに混ざり合い混沌とした、もろに好みなモコモコ系音浴。

The Paul Horn Quintet/Something Blue、¥1025
ユニオンで購入。2年後に傑作を吹き込む米西海岸のマルチリード奏者のクインテット。ヴァイブの音がクールな青いトーンを帯びたモーダルジャズ。特にA面3曲目の「Mr. Bond」がお気に入り。

Ras Allah/Heaven Is My Roof、¥12240
HMVで購入。ルーツロックレゲエの教科書に必ず載っているプリンス・アラーのルーツど真ん中な初作。濃厚なバックの演奏がよく聴こえて鼓膜が破れそうな低音注意!

Roberto Roena Y Su Apollo Sound/4、¥4705
eBayで購入。プエルトリコの名グループの第4作目。濃厚なキューバ風味、ヴィンテージ・サルサの醍醐味が詰まった名作。この世界を一度知ってしまったら、もうやめられない!

John Lurie/Down By Law、¥100
リサイクルショップで購入。ラウンジ・リザーズの中心人物。みんな大好きMade To Measureシリーズの第14作目。底なし沼に引きずり込まれるようなヌメ〜ッとしたサウンドスケープがディープで中毒的でとても心地よし。

Willie Colon/Lo Mato、¥1455
ユニオンで購入。トロンボーンが先導するトロバンガスタイルで、これがチンピラやさぐれ臭むんむん。エクトル・ラボーのボーカル、油が乗り始めている時代につき全曲キラー。

Jacob Miller/Who Say Jah No Dread、¥510
ヤフーオークションで購入。パブロのRockersレーベルの74、75年ごろのクラシックのショーケーススタイルのアルバム。ミックスはキング・タビー。ソリッドで鋭角的なサウンドは鼻血もの。

Nduduzo Makhathini/In The Spirit Of Ntu、¥6912
Blue Noteで購入。南アのピアニストによるコンセプチュアルな10作目。コルトレーンの「A Love Supreme」に匹敵しうる、瞑想的、呪術的なアフロスピリチュアル絵巻。特に冒頭の二曲は圧巻。よい新譜に出合えてよかった。

Robin Vaz/Konkani Unforgettable Hits、¥55
リサイクルショップで購入。広いインドでもゴアのみに存在したという謎多き魅惑の海洋性混血歌謡、コンカニ。そんなコンカニ歌謡のカセット2本がなぜか2年越しに同じ店で出土。同じ人が処分したに違いない。そして別の同じ人が拾った。どうもインドが呼んでいる気がする。

Orkes Krontjong "Bintang"/Waldjinah Ratu Kembang Katjang、¥7760
ヤフーオークションで購入。4年ぶりについに大トリに返り咲く、この安定感抜群のワルジナーさん。筆舌に尽くしがたい、南国経由、天国行きの至福音楽。

2022年11月30日水曜日

ヴィリニュス, Vilnius/Thelonious

[ WAX made in the USSR / first round vol.10 ]

旧市街を彷徨っていると日も暮れてしまい、雨まで降り出してすっかり真っ暗に。続いて辿り着いたのは小さな扉を開けた瞬間に階段が現れるレコード店のThelonious。知らない人が扉を開けたらびっくりしてオットっとするに違いない。

急な階段を恐る恐る降りて地下へと吸い込まれてゆきます。上の垂れ下がっている壁に頭をぶつけないように注意が必要!

レンガ造りの店に入るとそこはオーディオのショールーム。何も知らずにやって来たけども、どうやらジャズが得意のレコード店のようです。ジャズとオーディオ。 世界共通のマッチング。しかしこのレンガの空間、音響的にはどうなのだろうか?

店のおじさん二人によると、 日本の阿部薫とかのフリー系の音源を、クレジットを見るとユニオンとかを通して? ライセンスして自前のレーベルから販売しているそうです。立派なカタログが揃っています。

奥にはセロニアス・モンクが鎮座する中古のレコードコーナーがあるので、ソビエトのジャズコーナーを拝見。すると前から欲しかったリトアニアのジャズのアルバムが出てきました。以前同じアルバムをリトアニアの店でネット注文しましたが、盤に問題があるとのことで問答無用でキャンセルされた経験がありました。ヤッタネ、と喜びながら検盤すると物凄い塩ビ焼けが!とことんついていません。

Инструментальный Ансамбль Под руководством Д. Голощекина、 13EU。
代わりにロシアのレニングラードのジャズコンボのアルバムを発見。ジャケットのミニスカートの美女に惹かれて試聴させてもらうと幾分古めかしくもいい演奏、いい感じのギターに酔いしれたので購入。

Skirmanto Sasnausko Džiazo Kvartetas/Giesmés Vaikams、 10EU。 
塩ビ焼けで諦めたアルバムは三度目の正直か、このあとすぐ訪れた工芸品や現地の現行の音楽に強い店Ragainéですぐ発見!

 後で気になって注文履歴を探して店名を見てみると、あの塩ビ焼けの個体はなんのこっちゃない以前キャンセルされたレコ ードそのものでした。あんなに焼けた盤が送られてこなくてよかった。キャンセルしてくれてありがとう!

つづく

2022年10月1日土曜日

ヴィリニュス, Vilnius/VINILO STUDIJA

[ WAX made in the USSR / first round vol.9 ]

ラトビアのリガを後にし、またまた長距離バスでやってきたのはバルト三国最後の国リトアニアの首都ヴィリニュス。旅も終盤であります。どんよりとした初冬の天気、早めの時間に着いたのでさっそく街を探索。最初に見つけたのがこちらのレコード店、VINILO STUDIJA。そう広くない店内にレコードがぎっしりとつまっています。

天井には色とりどりのカラー盤やピクチャー盤の飾りがぶる下がっています。NIVEAのレコードってなんやねん、なんだか気になりますね。カラー盤大好きな店主。

奥の方の角っこにぎっしり詰め込められたソビエトのジャズを探索。少し高めのプライスのように感じたので、ポップスにスイッチ。ロシアの大歌手アーラ・プガチョアのアルバムを発見したので試聴コーナーで試聴させてもらいました。2枚購入。

Alla Pugachova/Mirror Of The Soul、13EU。
先日ロシアのウクライナ侵攻に反対の声を公にした事で話題となっていたプガチョア。その後の快進撃を見せる彼女の原点的なファーストアルバム。結果的に根性で見つけたと言っても過言ではない2枚組バージョンのエクスポート版!

つづく

2022年3月31日木曜日

リガ, Riga/FOTO-56

   [ WAX made in the USSR / first round vol.8 ]

Riga Record Digのオーナーと別れVINYLLAを後にして何件かレコード屋をちょこちょこと覗きながら宿の方へ戻ってきました。そして最後にたどり着いたのがリガで一番の魔窟であるこのFOTO-56。店名のとおりカメラ関係のお店であったろう店内が大量のレコードに埋め尽くされている本末転倒系の立派なレコード屋さん。

ジャンル分けがされているような、されていないようなラフな陳列。ソビエト時代のレコードは床置き状態!こういう雑然とした状態でレコードが大量に置かれているとワクワクしますね。早く宿に帰り睡眠を取りたいけどもうひと掘りします。

レコードの山の中にちょこっとあるカメラ用品。床に置いてあるソビエトものから気になるものをバンバン抜きだし試聴しまくります。この日は数枚購入し帰宿。体力の限界です。

翌々日再び来店し挨拶代わりに店主にりんごを渡すとお返しにバナナをくれました。そして前回の続きを見ていきます。ウクライナのグループでなかなかユニークなものを新発見したりも。

昼休憩を挟みつつ大量に見て聴くも中々よい曲の入ったレコードは見つからず。いいものといえば、そうあの人、ラトビア音楽界のゴッドファーザーRaimonds Paulsが絡んだ関係先ばかりだと実感。
ということでその関係先のレコードを中心に14枚くらい店主とのディスカウント交渉を経て購入。

Eolika/Rīgas Sapņi、10EU。
ラトビアの80年代中心に活躍したポップ・ディスコアンサンブル。邦題は「リガの夢」。Raimonds Paulsの曲も取り上げいい感じのポップさ。

Mirada Zīvere/Viena Diena Manā Mūžā、7EU。
Raimonds Paulsが創始者のグループModoのボーカリストのソロアルバム。演奏もModo。A面をRaimonds Pauls、B面をModoでのPaulsの後任であるZigmars Liepinsが手がけている。キラー曲満載。ごく一部しか聴いていないわけだけども、ラトビアのポップミュージック屈指の作品にちがいない。

Raimonds Pauls/Naktsputni、3EU。
Raimonds Paulsの78年の自身名義のアルバム。演奏はModo、ヴォーカル陣もMirada ZīvereらModoから、ジャケットデザインが秀逸ときて、もうすべてがここに揃った完璧なレコード。

つづく