2017年5月31日水曜日

アテネ, Athens/VinylCity(ギリシャでモーラム?!宝の山に出くわす?)




アテネのオモニア広場の北東方向に広がる坂がちなエリアは当たり外れはあるけれどとにかくレコード屋だらけ。その中でもオススメはArt Rat Records。狭い店だけどとにかく東欧のプログレなどを中心としたマニアックな品揃え。記憶の中に微かに残る西新宿のGSMの様子を彷彿とさせる。
そんなレコード屋密集エリアから更に遠ざかった場所にあるのがこのVinylCity。
どのメトロの駅からも遠いのでオモニアあたりから路線バスで近づくのが便利。
愛想のいいトボけた感じのヒゲのオヤジさんがオーナー?まずは扱いが低い縦置きのギリシャコーナーをチェック。きびしい…けど1枚だけ収穫。


Λένα Πλάτωνος, Σαβίνα Γιαννάτου/13 Τραγούδια、15EU。
サヴィーナ・ヤナトゥーないの?とオヤジに聞くと、ないと言ったのに出てきた。オヤジはオレは若いから昔のギリシャ音楽は詳しくねえんだとトボける。ヒリヒリと凍てついた地中海冷声アンビエント。いい!


ギリシャコーナーをひととおり見終わり店内の他のコーナーを物色していると、物陰に気になるインデックスを発見!なんと「タイ」と書いてあるではないか。しかもLP200枚くらいある‼︎
興奮してオヤジさんに聞くと20年前くらいにタイで買ってきてそのままずっとあるそう。なんとギリシャで泰物宝の山発見か?!
最近タイでモーラムとかレコード掘ってきたよと伝えると、おもむろにオヤジはYouTubeでモーラムを流し出した!ぱっと見Appleレーベルの作品が多いので期待できそう。閉店時間なので翌日出直すことに。
翌日開店時間ぴったりに到着し、さっそくタイのLPを自前のターンテーブルで試聴開始!
しかし聴けども聴けどもいい曲がない。例の退屈なバラード系ばかり。あれおかしいぞ?とオヤジに投げかけると、なんと「モーラムはねぇ」と言うではないかー!
うろたえながらも仕方なく50枚くらい試聴を続けると1枚だけルークトゥンの出物を発見。


พิมพ์ใจ พรหมมาลี/Unknown、15EU。
バンコクの?マイナーな歌手?検索してもあまり情報が出てこない。とにかく他のより打ってる曲が多く、ポンコツのポータブルでも音圧の異常な高さが分かる。粘って試聴を続けてよかったと思える一品。

アテネ, Athens/To Diskadiko







こちらもアテネ、メトロのMonastiraki駅近く、お父さんと息子さんで商売をしているTo Diskadiko。
店先の窓の上に描かれているのは、その名もタイガーフルートフィッシュ!友達の画家が2日間で描きあげたそう。





お父さんはなんだかJazzに詳しい模様。数年前に数少ないギリシャの80年代のJazzのレコードのストックをどこかで発見したそう。そういったレコードは今はもうギリシャのレコード屋では全然出てこないけど…枯渇している。





お店は綺麗にジャンル分けしてありとても見やすい。この日はスーパーナイスガイの息子さんがひとり店番をしていた。視聴させてもらいながら最近のレコ屋事情を聞かせてもらった。
Joao Gilbertoの73年作、欲しかったブラジル盤で購入。10年以上前に買ったフランス盤は低音がオーバー気味で聞いていて緊張するんだけど、ブラジル盤はどんな音質なのか楽しみ!





Raw/Land、90EU。
アテネの地下シーンで活動したらしいマイナーグループのファーストLP。いろいろこういった類のレコードをアテネで視聴したけど、異郷の香りたっぷりの映像的世界観をつくらせたら右に出るものなしと実感し思い切って購入!

2017年5月30日火曜日

アテネ, Athens/Zaharias Records




ギリシャの首都アテネ、アクロポリス、パルテノン神殿の足元、メトロのMonastiraki駅近くのlfestou通り。東京で言えば竹下通り的な感じがする場所だ。
この通り沿いには4、5軒のレコード屋や他にもレコードを扱う古本屋を見つけられるが、このZaharias Recordsがいつ訪れても常に最も賑わっている。テッサロニキにもブランチがあり以前紹介している。テッサロニキ店と同じで控えめのプライスライン!
レコードセクションの部屋は細長く、奥のCD部屋は万引防止策なのか階段状になっていて、ちょっとした劇場のようで面白い。品数も充実していて見応えがある。視聴可能なのでエサ箱から直感でジャケ抜きし聴きまくる。


Νίκος Κυπουργός/Εν Αθήναις、12.9EU。
劇中音楽のフィールドで活躍した作曲家のレコード。現代音楽からニューウェーブ、アラブの香りまで、どこか映像的でどこまでも実験的な作品だ。隠れた名盤。


Βασίλης Ρακόπουλος /Ρωξάνη、2.5EU。
70年代からギタリスト、編曲家としてアテネで活動するVassilis Rakopoulosの恐らくファーストアルバム。なぜかたまたま捨て値で売られていたけど、地中海的セミアコアンビエントフュージョン?といった感じでとても心地よいレコード。


Θαμώνες/Δώδεκα Τραγούδια Από Τη Λευκωσία、3.9EU。
ネオトラッドグループの唯一作?安いのとジャケデザインが今の気分にマッチするのか90年代ものをついつい多く拾ってしまう。

2017年5月17日水曜日

テッサロニキ, Thessaloniki/Παρε-Δωσε




先述したDimitriou Gounari通りのZaharias Recordsの向かいにもΠαρε-Δωσεといういいレコード屋がある。
古本やらCDなどに混じって各種レコードを取り揃えていた。店の奥行きが深く、奥の部屋には安レココーナーも。だけど価格は少し高めな印象。
ギリシャ歌謡初心者に優しいおねーさんが店番をしていて視聴させてくれた。カンのみを頼りにセレクト。


店は半地下になっている。この辺は遺跡だらけで掘れば何か出てきそう。通り沿いにも巨大遺構があり上から覗けるつくりになってる。


Βούλα Σαββίδη/Καινούργια ρούχα、4EU。
またしても90年代ギリシャ歌謡。モコモコした音像の1曲目だけがよい!

2017年5月2日火曜日

テッサロニキ, Thessaloniki/Zaharias Records




ギリシャ第2の都市、海の香り漂うテッサロニキ。
この街には10件以上レコード屋があり、古のギリシャ歌謡から最新のポップスまで幅広く収集可能だ。
なかでもレコ屋のメインストリートととも言うべきDimitriou Gounari通りは、5〜6軒ほどの店が肩を並べしのぎを削っている。


Zaharias Records。この店は中古がメインのオールジャンル店。
シエスタ休憩後に乗り込んでみた。奥までレコード、CDがなかなかぎっしり詰まっていた。


ギリシャ歌謡コーナーから3枚。


Tania Tsanaklidou/Ναδίρ、4.9EU。
90年代、アラブも色濃く香るギリシャ歌謡一級品。


Λένα Πλάτωνος Και Σαβίνα Γιαννάτου/Το '62 Του Μάνου Χατζιδάκι、18.9EU。
詩人の作品集?裏ジャケには若き日のレナとサヴィーナの写真が。


Σαβίνα Γιαννάτου – Ζει Ο Βασιλιάς Αλέξανδρος;、23EU。
ギリシャ歌い手最高峰、サヴィーナ・ヤナトゥー(ギリシャ人はヴィとナにアクセントを置いていた)。彼女は後にテッサロニキにまつわるアルバムを出している。一家に1枚、いや2枚!うちには3枚ある。生涯の超名盤!