2018年8月27日月曜日

前日譚 〜 バンコクにて2 〜




バンコク3日目。午前中にノンビリと用事を済ませ、向かったのはバンコクの北の果ての郊外、というか今調べたら隣のノンタブリー県!の繁華街にあるモール、パンティップ。今知りましたが、いつのまにか越県してたんですね。カオサンから確か70番の冷房バスでそばまで行き、その後歩いてアクセス。

前年のフォーチュンタウンでのレコードフェアの出張組レコード屋にもらった名刺を頼りに調べて来てみたが、このモールにもレコード屋が結構出店していることが分かった。まあフォーチュンタウン同様というかそれ以下のパッとしないセレクションの店が多いのですが。やる気なく5時にはあらかたの店は閉まります。

1軒づつ目当のタイのシングルを探しながら見ていって辿りついたのがココ、ブッパー・サーイチョンの歌マネがなかなかのビーのレコード屋。

向かって左隣にもレコード屋がありますが、この日含めていつ行っても閉まっていました。どうやら前年のレコフェアでシングルを20枚ぐらい購入し、的外れなルーク・クルンのEPを追加でいっぱい持って来てくれたミスターチャンの店のよう。


ビーの店にはシングルがガサツに突っ込んである箱があった。それをほじくって試聴。さすがにいいものは残ってない。ラムの字が出てこない。ここでも先輩方の残り香が。しかし1枚だけ縁が欠けたマイフェイバリットモーラム、バーンイェン・シーウォンサーの「ลำเพลินสวรรค์ชาวนา」が出てきました。ちょいと興奮!

実はこのハードコアラムプルーンのシングル盤には哀しきエピソードが。前年にイギリスからこれと同じもの通販しました。しかし開封する前に他のダンボールゴミに紛れて気付かず捨てられてしまったのです。夜のうちに気がついて朝早くゴミ置場に行って探したけどみつからず。ガックリ肩を落としたのでした。おそらく資源持ち去り業者にでも持ち去られたのでしょう。ダンボールに紛れリサイクルされたか、きっと中国にでも資源として輸出されたのか…タイ→イギリス→日本→中国と世界中を旅するレコード。中国で心あるディガーに奇跡的に救出され幸せに暮らしていると良いのですが…じ〜ん

まあ、ちょうど良いのでこの縁欠け盤、イサーンへ行ったときのレコード探しの見本として活用しようとタダでもらいました。タイ人にタイ語で「レコードありますか?」と聞いてもCDと混同されることが5割くらいあるので実物が手元にあると非常に便利なのであります。


途中ビーが足元のゴミ袋をガサゴソ探り始め、たまたまあったモーラム系のシングルを見つけてセレクトしてくれます。

それらをわんこ蕎麦形式で試聴しているとふと壁に貼られたポスターが目にとまる。去年のフォーチュンタウンでのフェアのポスターだ。そういえばちょうど去年の今頃だったな〜などと思っていると、隣の店がいないのは今年も開催されて、そちらに出張中だからかね??と思い浮かびます。ビーに聞くと、そだよーと言う。明日も開催中なので暇つぶしに行ってみるかな。

今回の旅で初のモーラムとルークトゥンのシングル合わせて13枚、1200バーツで購入。買い尽くしましたが7枚くらいモーラムがゲットできてうれしく帰宿。


翌日。はい!ほんとに開催中だったレコードフェア。「バンコク/フォーチュンタウンはレコード万国博覧会」の2017年版。偶然の再会。
http://travelguideforloversofrecordstores.blogspot.com/2017/01/bangkokfortune-town.html


凄いオッサンデガー率。どこの国も一緒ですな。今年はレコードは見ずにオッサンデガーたちの勇姿を写真に収めただけでスルー。フォーチュンタウンに入っていたタイもの多めのレコード屋が1件なくなっていた。


そんでもって向かったのはBigtiger studioのバー。前年チャットチャックマーケットで散々探したがみつからず、その時点で郊外の住宅街にお店を移転していたのね。タイで住宅街を歩くときは放し飼いの犬(もれなくアグレッシブ)が多いので気をつけてください。


森のクマさん的な店主はレゲエ好きなのでずっとスピーカーから流れていていい感じです。写真に写ってませんが窓の外には植物が豊富にあり、テラス席なんか最高です。


時間を忘れクマさん家でまったり過ごします。ここに住みたい!と思いつつ帰宿。


翌日。名刺屋にてオリジナルキャップを作成。もちろんスタッフに爆笑されます。横で名刺を作りに来ていた日本人駐在さん2名には何が書いてあるのかバレてないことを願います。

さあ準備完了、遂にいよいよイサーンへ!!ではなく…その前にレコードを放り出し数日間南の島へ逃避します。

つづく

2018年8月20日月曜日

前日譚 〜 バンコクにて1 〜




2017年秋某日。深夜にバンコクに降り立ちました。もちろん今回もレコードを探しにあとでイサーンへ行く予定ですが、まずはバンコクを掘り倒します。灯台下暗しと言いますしね。

初日、午前中用事を済ませてから、バンコクレコード屋巡り。まずはTonchabab record shop 本店へ。
http://travelguideforloversofrecordstores.blogspot.com/2017/02/bangkoktonchabab-record-shop.html

1年ぶりに店主の安藤さんに挨拶。ひたすらシングルを試聴。安定のクオリティ。新入荷に期待するのはきびしい。ルークトゥンのシングル3枚、600バーツで購入。初めて3時閉店前に店を後にすることができた。

アルバムは面白くない、少ない、高い、そして重いの四重苦。今回からバンコクではLPは無視。シングルの音圧に魅せられると抜け出せない。去年の経験からどの辺のレーベルに期待が持てるかは把握しているので、今年はシングルに集中する作戦。しかしバンコクでアルバムを無視していたせいで後々苦労することに…まあでもそれはまだまだ先のお話。


お次は徒歩でM-Tanakorn Recordsへ移動。中華街のちょっと北側にあります。
ここもセンパイのかたがたに激しくやられているので相変わらず厳しい。シングル1000枚以上めくってみるがモーラムのラムの字も出てきやしません!

ひたすらアウトレット50バーツシングルを300〜400枚くらい試聴。ルークトゥンのシングル13枚、650バーツで購入。去年の6枚よりは枚数は稼げた。去年はタイ滞在の最後の方でここに来たので既に心も財布の中身も燃え尽きていたのもあるけど。


もう帰国されたようだけどバンコク在住日本人DJ、デザイナーのムラさんが毎週末来て50バーツシングルを買っていたそうな。奥の部屋には良さそうなレギュラーレコードもあります。

この日は2件でおとなしく帰宿。


翌日。NHK「海外出張オトモシマス」でsoi48さんが吐きそうになってた骨董市場、パタウィコーン市場へ行ってみることに。バンコクの北東の郊外にある。番号を失念したがスクムビット通りから番号のでかいミニバスに乗ったら直通で行けた。ナワミン通り72番だそうです。レコードはチラホラというか2、3件だけ発見したけどズタボロの中華系かポップス。


水牛の骨。この市場ではボウズ。こういう場所は週末のほうが良いのだろうか?フォーカーみたいなところが近くにあったので辛い昼食を注入。鼻血が出そう。

その後バスとソンテオを乗り継ぎ南下しTonchababのブランチへ。去年と中身が変わってなさそうな7インチボックスにゲンナリ。店のオバさんと少し話して退店。

近くの店で少し買い物して帰宿。今年はスロースタートかな。それにしてもバンコクではモーラムのレコードの奪い合いが激しい。というか奪い合う以前に無い。この1年でバンコクのバイヤーが田舎から新たに買い付けてきてバンコクに放出してるのを期待したのだが。そういうブームもとうの昔ってかんじ。今なら高いけど日本のほうが確実に買えますね。ん〜イサーン恋しや…

つづく

2018年8月8日水曜日

次回予告 来たる!夏休み大型企画




この写真ですね〜〜男性が「ここだよ」みたいな感じで指を指しています。指し示す先にレコードが埋まっているとでもいうのでしょうか?ここは廃棄物の集積所でしょうか?エサ箱としてカテゴライズするならばアチラ側ですね。これを機にブログのタイトルを「アチラのゴミ箱から」に変えようと思います。

というのはウソですが…。

2017年も掘りに行ってまいりました。2年前の情報にもかかわらず当ブログで絶え間ないアクセスをいただける大人気のタイ王国へ!さあ重い腰を上げてブログを更新していきましょう。とりあえず次回予告をしてしまうことで自分を追い込んでみます。そうしないとそろそろリアルタイムから1年のタイムラグが発生してしまいますから。

果たして本当に更新できるのでしょうか。どこかに腕利きのゴーストライターはいませんか?


総移動距離弐仟伍佰粁、ヘッポコディガーはタイで今回こそ本当の宝の山にたどり着けたのか!?乞うご期待!!!

2018年8月7日火曜日

続・レコードを買えないという幸せ




はい、出ましたね?
あの「レコードが買えないという幸せ」の続編が!シリーズ化は既定路線だったのでしょうか?
ん?先月はレコード買わなかったのかって?愚問ですね。

今回は南アジアの国、ネパールでのお話。今回はやや閲覧注意!!特にお食事中のあなた!ながらスマホは控えめに。
さてネパールでは、はなっからレコード探す気なんてありませんでしたが、しかし辛さの中にも嬉しいお店との出会いも。そして死にかけます。

ネパールの玄関口カトマンズに向かう飛行機の機内。グングン体調が急降下。空港からツーリストエリアの宿へ向かうタクシーの中では横にならないととても怠く辛い状態に。明らかに風邪のひき始めのような感覚。宿に到着すると気絶するようにすぐ寝ました。

しばらくすると下痢を併発。給食のおばさんすみません。それは学校給食のあのサラサラのカレーライスのようでした。水分多めのやつですね。不思議とお腹自体に痛みはないのが怖い。旅人の間では通称「カトマンズ下痢」として畏れられているとか…いないとか。前日食べた韓国料理が原因かも?

水とリンゴとお腹にマイルドな料理、そしてあっという間に消費されるトイレットペーパーを求めて近所の売店やレストランと宿の間を往復。あとはずっと寝るかトイレに立てこもること2日間。


このままではいかん、ネパールまで来てただ寝グソを垂れに来ただけじゃないか。

幸い体の怠さが抜けてきたので、3日目にしてようやくカトマンズの街歩きを開始。ただしカトマンズ下痢は続行中なので遠出はできない。いざとなったら宿にきびすを返すことになる。PC筋を引き締めて!

カトマンズの街は地震から1年以上経っていたが、その爪跡があちこちにまだまだ残っていた。しかし不幸に屈しない人々の強さを垣間見たような気も。


翌日下痢もだいぶマシになり、ようやくカトマンズを離れようと決心。ヒマラヤの景色を拝むため、カトマンズからわずか35キロ、手軽に行けるというナガルコットという村へバスを乗り継いで向かうことにした。

途中バクタプルという街の入り口でバス降り観光。街を歩いて通り抜けた先の出口から次のナガルコット行きのバスに乗り継ぐ。バクタプルは京都的な場所だろうか。何気ない感じでシレッと入ろうとすると検問で15ドルのチケットを買わされた。


ふらふらしていると街のトウマディー広場に出た。説法かなんかだろうか?ちょうどイベントが終わったタイミングのようで、大量のパイプ椅子を男たちがトラックの荷台に積み込んでいた。


そんなトウマディー広場に面してCD屋を発見!店先で天日干しされたCDが目印。
広場に南西から接続する道でたまたまこの広場にアクセスしたのだが、その道を通ってなければ発見できなかったかもしれない。五重塔みたいな寺院に向かって左斜め後ろの方角にある。


店の中に入ってみると天井は低いけどCDがぎっしり。世界屈指の天井低い系レコード屋?キオスクみたいなサイズ感の店。品揃えはネパールものかインドものがほとんどだった。


カウンターの足元に年季の入ったカセットも陳列されていた。適当に抜き出し店のオヤジと共に吟味した。ほとんど90年代のものの売れ残りみたい。


「カセットは大抵埃まみれ」アジア掘りあるある。
オヤジが選んだカセットテープを布巾で磨いてくれた。その姿はまるでグラスを磨くバーのマスター。なかなか渋い絵。画面からマスターの人の良さが滲み出ていますね。


「これを聴きながらヒマラヤでヨガか瞑想すると最高だよ」とマスター。

まさにそういう目的のために作られた音楽なのだろう。昔から無数に訪れる外国人ヒマラヤ観光客をターゲットととして。古典的な楽器を使ったりしているがニューエイジミュージックのエッセンスがそこかしこに。



そして遅い昼食を食べてからバクタプルを引き上げ、ナガルコット行きの激混みバスへ乗り込む。夕方だからか定員の軽く3倍は客が載っていると思われます。ここは朝の山手線でしょうか?なんとか何かの穀物の俵の上に座席を確保。

途中赤ん坊をバケツリレー的な感じで降ろすのを手伝ったりしながらクネクネのいろは坂的な山道を登っていった。カトマンズ盆地の標高から恐らく900mほど登る。ハンドル操作を誤ると穀物俵とともに谷底に真っ逆さまです!


バスがナガルコットの入り口に到着し予約した宿に30分くらい徒歩で向かった。ようやく宿に着くとレセプションのおにーさんが「ちょうどサンセットだよ」と教えてくれた。沈みゆく神秘的な太陽を拝みながら、カトマンズ下痢に耐え回復してよかったなぁとシミジミ。そしてレコードなんか掘れなくても生きてるだけで儲けもんだなぁ〜と。カセットテープ買えたし。

そんなこんなで、「レコードを買えないという幸せ」を享受したネパール、ナガルコットへの旅だった。

すみません。ついまた書いてしまいましたね!



この翌日尾根沿いにあるコース(誰も同士を見かけず)を下りトレッキングをしながらバクタプルへ戻り、その後バスでカトマンズへ戻った。

そして長い長いヒマラヤトレッキングから帰ってきた日本人かのように、快気祝いに日本料理屋へ。ネパール最終日、塾考の末、親子丼を注文。それはそれは美味しくたいらげたのです。美味い!和食世界一!!流石、大都会カトマンズ、期待を裏切りません…半端ねぇってオヤコドン!



はい、本当の恐怖はその親子丼に潜んでいたのです。

翌日飛行機の中で第二次カトマンズ下痢が勃発。回数にして10回以上、フライトの1/3くらいトイレにこもっていたでしょうか?トイレに爆弾を仕掛けに行ってると勘違いされたかもしれません。運悪く窓側の席だったので隣のおにーさんを跨いでトイレに行くのが忍びない。

よくよく思い出してみると犯人は親子丼の半熟卵。生<半熟<完熟となりますが、あれは限りなく生寄りの半熟。なんの疑問ももつ間もなくパクリ。目の前にある食物は躊躇なく食べてしまうタイプが仇に。

その後、5日間ほど人生最悪の下痢の日々を過ごしたのでした。口に入れては、30分後にカレーを通り越して麦茶が出てくる毎日。大麦農家のみなさんごめんなさい。そしてやはり不思議とお腹は痛くないという恐怖。本当にこのまま死んじゃうんじゃないかと。

みなさんも旅先での食べ物には気をつけましょう!特に生ものは。



え?だから結局先月はレコード買わなかったのかって?グモンですね。
買わないと宣言したはずが、そりゃあ買ってしまいますよね。安レコが出現するとついつい。いつも以上に豊作♡
レコード達よ、なぜそこで出現する?

2018年夏「買わ(え)ない幸せ」を享受します。
夏はまだ残っているので今月こそは!