2020年12月31日木曜日

2020年ベストディスク11!(暫定版)

 今年はパンデミックの影響で海外旅行はおろか、レコード屋へ出動する回数も減少した。もはやこのブログの存在意義とは!?そんなこととは関係なしに日本国内/国外リモートで今年収穫した50枚くらいのLPレコードから2020年の私的ベスト11は未聴盤や受け取っていない盤が結構あり選びきれなかったので、とりあえずの暫定ベスト11!(送料含む)

The Raincoats /Moving、¥2050
ユニオンの80sコーナーで購入。エスニックなテイストを取り入れ、彼女たちのアルバムの中ではこれが一番しっくりくるアルバム。腑抜けたビートがクールなDance Of Hopping Mad。

Naffi-Locksman/Naffi-Locksman、¥7842
アメリカからお取り寄せ購入。世界の音楽ごった煮、いつ聴いても未完成な、異形のヘンテコニューウェイブ、そんな感じ。

Sugar Minott /Live Loving、¥3550
ヤフーオークションで購入。色褪せないリディム、ずっと聴いていられるメロディー、夏草の誘い。これを皮切りに気がつけば今年はレゲエのレコードばかり購入していた。いつでも戻ってこられるアルバム。

Patrice Rushen/Straight From The Heart、¥100
リサイクルショップで購入。普通に購入したいなー、などと思っていた矢先、レア盤に出会うより嬉しいラッキーな遭遇。こんなにゴージャスな音楽が他にありましょうか。

Alla Pugacheva/Beyond A Fuss Of Life、¥200
フリーマーケットで購入。この人のブレーク以前、以後とでソ連歌謡界が二分できるというほどのインパクトだったという。ディスコミュージックを下敷きに最初から最後まで陽気な空気感がよい。

The Gladiators /Proverbial Reggae、¥5730
eBayで購入。ルーツロックレゲエの古典ともいえるアルバムのようだ。トリッキーなメロディーラインがとにかく個性的でカッコいいグループ。

Justin Hines And The Dominoes/Jezebel、¥954
ヤフーオークションで購入。“Spotlight”でのチナの天国から降り注ぐようなチョーキングギターが気持ちよすぎて悶絶必至。


喜納昌吉&チャンプルーズ/喜納昌吉&チャンプルーズ、¥880
リサイクルショップで購入。性急なビートが一生踊れる生きたダンスミュージックといった塩梅。ただただ最高。

Haruomi Hosono/omni Sight Seeing、¥4070
Sony Music Shopで購入。89年発表、全方位型観光音楽。2020年の空想旅行のお供に最適。ノイズなしのソニーの入魂のプレスクオリティーにも感心してしまった。

The Wailers/Burnin'、¥7950
ユニオンのレゲエコーナーで購入。ウェイラーズのラストアルバム。音楽の魅力がこれに全て詰まっているような気がする。

Pharaoh Sanders/Izipho Zam (My Gifts)、¥381
ヤフーオークションで購入。17年前からあこがれたアルバム。当時は30年前のアルバムだったけど、今はほとんどもう50年前のアルバム。歴史的スピリチュアル絵巻。至福の音がここに。

2020年12月20日日曜日

タリン, Tallinn/Rockroad Music

 [ WAX made in the USSR / first round vol.3 ]

Biit Me Record Storeを出て、タリン市内をさらにちょこちょこと観光。日も暮れてこの日最後にたどり着いたのがこちらのRockroad Music。メインの旧市街からは南西に徒歩で15分ほど離れた場所にあります。2013年設立とレコード屋としては中堅といったところでしょうか。

半地下の店内の様子。20畳ほどのスペース。店名のとおりロックが中心の素晴らしい品揃え。床に置いてあるレコードも含めてかなりの量があります。

青いカゴにぶち込まれた安レコがハードオフのエサ箱を彷彿とさせます。初めて来たドオフの店舗よろしく何が入っているのかとりあえず全部見ましょう。

最初はメロディアの現地盤は見当たらないな思いましたが、需要がないのか、奥の方のクローゼットのような場所に沈座しています。分け入って掘ります。プライスラインは他店より抑え気味でした。

メロディア盤8枚と欲しかったハンガリーのレコード1枚を購入。選んだレコードをネタにしながら店主が当時のソビエトで流行った音楽、その背景、西側の音楽の影響などを教えてくれて勉強になりました。

Various/Aerobic Exercises、6EU。
シンセサイザーの分厚い音と、一度聴いたら耳から離れないお姉さんの「イッヒ!イッヒッ!」という掛け声がクセになるエアロビクスのレコード。ロシアの鍵盤奏者Vladimir Osinskyのオシゴト。珍盤!

Zodiac/Music In The Universe、5.5EU。
エストニアの隣のラトビアのグループのセカンドアルバム。レンジの狭い音質が旧ソ連のレコードの特徴ですが、その音質もいい塩梅に効いている超絶ギャラクシーなディスコ。

つづく

2020年11月7日土曜日

タリン, Tallinn/Biit Me Record Store

[ WAX made in the USSR / first round vol.2 ]

Tallin Old Town Recordsをあとにし例の「Raamatukoi Gramofon」に立ち寄った後やってきたのは旧市街の只中にある建物の2階に入っているこちらのBiit Me Record Store。

とにかく天井が高く、黄色成分が多めの店内。フローリング敷きのレコード屋というのも珍しい気がしますね。店の奥のスペースはちょっとした写真スタジオになっているようで、この日は何かは分かりませんが撮影が行われていました。

90年代以降のクラブミュージックのレコードが多く、ソ連時代の古いレコードが見当たらない。店主に聞いてみるとちょっとあるとのことで、床置きの箱の中から数枚が出てきました。試聴させてもらい1枚購入。

Sven Grünberg/OM、15EU。
エストニアのシンセシストによる88年発表の作品。同じ時代に世界で同時多発的にこの種の音楽が出現するが、これは誇大妄想気味ながら非凡な才能を放っている。いよいよ面白いレコードが掘れ出してきました!


つづく

2020年10月17日土曜日

タリン, Tallinn/Tallinn Old Town Records

[ WAX made in the USSR / first round vol.1 ]


はっっ!!すんません、自分がブログを書いていることを完全に忘れていました。


そういえば、10うん年も使っているパソコンのOSが古すぎてsafariのバージョンがアップデートできないのですが、遂にgoogleに見放されまして、ブログをそちらから全く更新できないのでやる気をなくしていたのでありました。


予告からはや9ヶ月、いやいやもう9ヶ月、実際に旅してからもう数年!
新シリーズ「WAX MADE IN THE USSR」の第一弾が遂に始まりますよー

今回のシリーズで辿ったルートは上の地図のような感じです。バルト3国と呼ばれるエストニア→ラトビア→リトアニア。定番のルートであると思いますが、北から南にメチャメチャ移動してますね!


でも見てくださいを。旧ソビエト連邦の国々の地図です。

いじめかよ!
小さいです、バルト3国(15と10と8)。

ロシア(1)との面積関係でいったらアリンコと象ですね。いやーそれにしても広大な旧ソビエト圏。生きているうちに制覇できるのでしょうか。




さてさて、話はフィンランドのヘルシンキでトラムに乗車しているところから始まります。

ヘルシンキでトラムを降りる駅を一つ間違え、フェリー乗り場まで一駅分猛ダッシュする羽目になりました。しかし、そのくせフェリーは遅延しています。


げっそりしてフェリーに乗船し、船上でダンスしまくるおじさん、おばさんたちを眺めながら1時間ほどで夕刻にエストニアの首都タリンに到着しました


今夜のお宿に徒歩で向かう途中にレコード屋があるので立ち寄ってみると閉まっています。ネットの情報だとまだ営業時間内なんだけどな〜と思いつつ、今夜からお世話になる日本人の方が経営している宿へ。

翌日、出直してやってきたのは、旧市街に店がある昨夜閉まっていたTallinn Old Town Records。タリンの中では新しいレコード店。一応旧市街の観光地の只中にあるので非常に立ち寄りやす場所にあります。古い建物の半地下にあるので入り口の扉が小さく、天井が低く穴ぐらにお邪魔したような感じですが、店内は照明のおかげで明るく、レコードが見やすい。

後ほど登場するか、しないか、よく分からない同じタリンにあるレコード店「Raamatukoi Gramofon」に情報通で、とてもニヒルで、そしてとにかく話の長すぎる、という三拍子揃った店主がいるのですが、曰く、ここの若い店主はパッションを失いつつあるみたいに言っていましたが、ただシャイなだけのような印象を受けました。だけど、もしそうなのならばやる気を回復させてがんばってほしいもんです!

初めてソビエト連邦圏に入って初めて入ったレコード店。メロディア盤のかたまりを眺めながら、これからメロディア三昧になるのかぁ〜とトキメキ&興奮気味なのを抑えながら4枚セレクトし購入。

In Spe/In Spe、10EU。
エストニアのプログレッシブ・ロックバンドの85年作。ふわ〜っとしたシンセサイザーの音が気持ちよいドラマチックかつ、スリーブのポートレイトのように涼しげな良作。

つづく

2020年5月17日日曜日

Mixtape 2




ということで(何が?)

今年ついに手に入れた 78回転対応のNumark社製の中古ターンテーブル¥2400、1台を駆使し、60年代のルークトゥンの78回転ヴァイナルミックスをつくりました。シェラックではなくヴァイナルというところがミソです。溝が極太なので針飛びが直しやすく、スピーカーから飛び出すサウンドは非常に生々しく、音質では7インチなど全く敵にはなりません。そしてミックスの中では盛大なノイズにご注意ください。なんだかすみません。

数少ない手持ちの12枚の盤の中から適当に選んで適当につないだら、ワイポットに始まりワイポットにつながり、またワイポットが出てきたと思ったら、やっぱりワイポットで終わる。というワイポット・ペットスパン祭り!イサーンの旅先で偶然に迷い込んでしまったお祭り気分でどうぞ!

2020年4月25日土曜日

Mixtape1



昨今の世界の情勢のおかけでレコードの家掘りが加速しています。あなたにとっての理想のレコード屋とは、ズバリあなたのお宅のレコード棚ではないでしょうか?

ということで(ネタ切れが心配な新シリーズ開始の予定を変更し)架空の世界旅行気分でミックスをつくりました。1967年、ブルンジ共和国ブジュンブラ近郊の村でミシェル・ヴァイルステクによって記録され、世界中で幾度となくサンプリングされまくってきたアカ・ピグミー族の女性の美しい歌唱で始まりDavid Hopkinsの"Gaia"冒頭曲につなげています。今までブログで登場したレコードも出てきます。

ゴールデンウィークのオンライン帰省のためのよく分からないBGMとかにどうぞ。あるいはどこかの国で幽閉されている旅する同胞たちに捧げます。もっとお家でイマジネーション!

2020年3月15日日曜日

ダッカ, Dhaka/Garner Dali

朝取りたての航空券で深夜に到着したバングラデシュのダッカ、アライバルビザを取るためにちゃんと書類を準備している中国人たちの列に並んでいると、間抜けな感じの手ぶらの日本人が職員に引っ張られ高待遇で顔写真を撮られ、我々を抜かしていく。端から見ると連行されているようにも見える。あとで高額なチップを請求されたことだろう。明け方を待ち中心地から離れた現地人曰くハイソな地区らしいウッタラに予約した宿にチェックイン。1日目は中心地を観光。

2日目にしてほぼする事もなく、ネット検索しひとつだけ確実な、でもやや古い記事がヒットしたので、レコード屋探しに出かけた。今も店があるかどうか。脳内イメージでは珍しいバングラデシュ盤の7インチがわんさか掘れる予定だ。ダッカ市内のYakub Super Marketという場所にあるらしい。

まずウッタラからダッカの中心に移動するのに大苦労。ダッカの交通渋滞はおそらく、いや、間違いなく世界一醜い。前日は中心地までバスで行きに1時間半、帰りに3時間かかった。そして路線バス同士で肉弾戦のカーチェイス。故意にぶつかり合うバスの車体は傷だらけ。この日は作戦を変更して途中から鉄道を利用。すんなり到着。しかし最寄り駅を過ぎてしまったので、かなり歩く。

Yakub Super Marketは通りと番地は分かっていたけど、詳細な場所はネットで調べてもよく分からなかった(グーグルマップで店の住所を入力しても実際よりかなり離れた場所を示している)ので、それらしいところまで来たら身なりの良さそうな人にYakub Super Marketを知ってますかと質問。するとリキシャのおじさんに聞いてくれて交渉してくれた。情報が乏しい地域ではここからは流れに身を任せるのが目的への最短距離だと経験的に分かっている。

リキシャのおじさん、何人かに聞きながら数分でYakub Super Marketに到着。写真のATMが目印(下の方の「場所」をクリックすると地図へリンク)。結構でかい規模の百貨店。なんとなく二階から見ていくかなと階段を上がるとさっそく服屋のおにいさんに「お前は何が欲しいのだ?」といわれたのでレコードの写真を見せる。すると子どもが店の場所まで案内してくれることに。ラッキー、というか感謝。結局は上の写真のATM横の入り口のポカリスウェットみたいな青い看板の下の通路を入って2、3店目の分かりやすい場所にあった。子どもにささやかなお駄賃を渡した。

ミスターGarner Daliのレコードショップ。Garner Daliさんはかなり高齢な店主。呼吸が辛そうだったモロッコのフェズのレコード屋の店主を思い出した。こちらのGarner Daliおじいさん、昔は高い税金を払いインドのHMVからレコードバンバン輸入し商売をしていたそうだが、いつだか火事で在庫を失ったという。「今ではレコードはアンティーク」ということで、インドプレスの洋楽とインド(ベンガル中心)音楽の中古盤が幾ばくかあるのみ。残念ながらバングラ盤は現在も昔も扱っていなかったそうだ。

そのかわりCDはしっかりと取り揃えられており、時代がらか店の半分はパソコン関係の商品に占領され、そちらは若者が商売をしている。何か購入しようと、LPを見てみるも直感が反応せずシングルを見る。めくってもめくってもシングルは中身が分からないので、記念にマーブルディスクのボリウッドサントラを購入した。たぶん200BDT。

名刺とショッピングバックもいただいた。1978年開店ということは、今年42周年、結構老舗、すごい!

最後に向かいの店にいた少年の・・・

ダンスで見送られ・・・


店をあとにした。

2020年2月16日日曜日

バンコク, Bangkok/Pensri Shop (Weekend)

一昨年店の戦場みたいだった場所を片付け面積を半減し、空いたスペースに地元のサラリーマンたちが昼時にごった返すカフェがオープンして、最近やたらと日本人をはじめ観光客に人気のレコード屋M-Tanakornの近所、クロントムどろぼう市場の週末限定ストリートマーケットのベンダーPensriおばさんのレコード屋を紹介。『TRIP TO ISAN』でも写真でだけフューチャーされていますね。

左側に写っている電気街の中のビル「クロントムセンター」の真向かいのオレンジ色の外壁の建物の軒下に週末出店している(下部の「場所」をクリックすると地図へ)。ちなもにこの写真の立ち位置の左後ろには、在庫がどんどん減っているがモーラムの再発CDが買える有名なCD屋SHIBUYAがあるので合わせて行くと便利。

折り畳み椅子に座り選盤するスタイル。レコードの量は最盛期より結構減ってしまっている模様。ちなみに平日はどこか近所で商売しているのだろうか?


この日はバンコク在住のデガーdangdutbangetくんが先乗りして試聴していたので、こりゃダメだと思い高速でシングルだけチェックし平凡なラムプルーンを一枚だけ購入。Pensriおばさんには申し訳なかったが、近所のM-Tanakornに逆に先乗り返しをキメた。

2020年1月29日水曜日

予告 新シリーズ「WAX MADE IN THE USSR」第一弾

新年早々近所のフリーマーケットでロシアの大スター歌手、アーラ・プガチョワのレコードが掘れた!¥200。当時神保町のソビエト専門店「新世界レコード社」が輸入したものだろうか。

レコードを買い始めたときかろうじて「新世界レコード社」はまだ存在していて、なんとなく存在を認識していた程度。今でも神保町付近のレコード屋ではクラシックやプガチョワなどの旧ソ連産のMelodia盤のレコードをたまに見かける。

しかもこのアーラ・プガチョワのレコードはコレクターに人気だというMelodiaの輸出用エディション。輸出用だけが持つことを許されたレーベルに光り輝く「MADE IN USSR」の英語表記! ということで・・・

否、ということではないけれど、唐突に新シリーズのスタート予告。名付けて「WAX MADE IN THE USSR」。

旧ソビエト連邦の国々のレコード屋を巡るこの超不定期になるであろう超大型シリーズの第一弾。知識も予習もほぼゼロ、まっさらな頭で臨んだ初心者に最適な?バルト3カ国場所。

途方も無く広大な旧ソ連のエリアをほんの少しだけかすめただけで「なんだこれは」の連続。濃厚な「もうひとつの世界」を垣間見た!?

たぶん3月スタートできるかな?!!!