2023年12月31日日曜日

2023年ベストディスク11!(暫定版)

今年はやっとコロナ前と同様の通常モード。来年は溜まったネタをコンスタントに記事にしていきたい!そんなこととは関係なしに日本国内/国外で今年収穫した100枚くらいのアルバムから2023年の私的ベスト11は未聴盤も結構あり選びきれなかったので、とりあえずの暫定ベスト11!(送料含む)

Orkes Gambus “Al Fata” /Way Yak、¥3000
Still Can Useで購入。アラブ世界へひとっ飛び。インドネシアのオルケス・ガンブスもの。極彩色の最高のデザインのジャケットに惹かれて買ったら音も最高だった!

Sons Of Negus/Rastafari In Dub、¥22850
ユニオンで購入。ナイヤビンギのアルバムをベースにしているダブ・アルバム。ピーター・トッシュのワウギターとナイヤビンギ特有の太鼓がほんとうに効いている超特濃ダブ。

Gregory Isaacs/Mr. Isaacs、¥5773
eBayで購入。The Revolutionariesのバックによるコクのある極太の鳴りと、まろやかな優しい歌い口のルーツ・ロック・レゲエ。微かにダビーな処理が隠し味。

Sonora Ponceña/Sonora Ponceña、¥2650
ユニオンで購入。ワワンコーからボレロ、ソン・モントゥーノ、メレンゲ、デスカルガまで粋なサルサミュージックがざらついたビンテージ音質でこれでもか!というほど詰まった最高なアルバム。

Phanom Nopphon/Phanom Nopphon、¥6354
去年リモートでゲットしたものをバンコクでピックアップ。パノム・ノッポーンの甘い歌声とラムウォンをベースにリズミカルな演奏、いい曲満載でぜったい楽しいルークトゥンアルバム。

Pan Wan Ching/Oriental Pearls、¥3250
ユニオンで購入。遂にゲットしたレベッカ・パン、62年の香港のDiamondレーベルでの2枚目のアルバム。さながらひとり万国オリエンタル歌謡祭といった感じ。華やかで贅沢な逸品!

Orkes Al Wathan Medan/Maulid Nabi、¥4500
Fook Yu Recordsで購入。重厚で贅沢なアラビックサウンド、カシダグループ。マレイシア人脈も絡んでて売れ線狙いだったのか、踊れてキャッチーでキラーチューン完備の必聴物件!

Bembeya Jazz/Bembeya Jazz、¥3000
ユニオンで購入。「ナシオナル」を冠したバンドによるギネア(ギニア)音楽の黄金期の始まりを象徴する記念すべき一枚。初期衝動溢れる初作でパンキッシュなアフロ・ラテン。

Errol Dunkley/Darling Ooh、¥15145
eBayで購入。重量級ベイスが支配する音場に年代特有の機械のように淡々と掻き鳴らされる乾いたリズム・ギターが強烈な初作、ソニア・ポッティンジャー音源。一生聴ける!

Banyen Rakkaen/Lam Phloen Banyen Khai Lao、¥5965
タイからリモートで購入。「酒売り娘バーンイェン」。Trip to Isanにシングルオンリー表記、2019年の旅でテープアルバムを見つけて愛聴していたが、さらに4年越しで存在しないと思いこんでいたプロモオンリーのLPを新発見。2曲はテープ版でカットされたイントロ収録で曲順違いのエクスクルーシブ仕様!ティッソー・ラム・プルーンと貫禄さえ漂いだした全盛期のバーンイェンがタッグを組んだ全曲イケイケ奇跡のハード・ロッキン・ラム・プルーン!

福島幸義・朝崎郁江/傑作集、¥19690
ヤフーオークションで購入。探し求めて5年くらい、ついに降臨。出版は64年なので28歳ごろの録音でキャリア初期の後期ということになる。師匠である福島幸義との共演、スプリットアルバム。アニミスティックにすら感じられる筆舌に尽くしがたい唄声に鳥肌。至福の音がここに。

2023年9月6日水曜日

カウナス, Kaunas/Vinilo Oazė

[ WAX made in the USSR / first round vol.12 ]

次にやって来たのはカウナスの中心部から東郊外に離れて位置するレコード店Vinilo Oazė。中心部から路線バスで1.3ユーロほど。まず入店してびっくりしたのはレコードの量!間違いなくバルト三国屈指の陳列量。広い店内いっぱいに細かくよく整理されている感じで、お客さんがレコードを見やすい。

この夜の深夜バスでいよいよバルトを脱出しワルシャワへ向かう予定なので、のんびりはしてられなく、欧米のレコードが多い中、ご当地音楽のコーナーがちゃんとあるので、いつも通りそこを優先的に見ます。

途中別のコーナーにメロディア社製のフォークロア音楽のレコードの束を発見。メロディアはソビエト連邦以外に、社会主義圏を中心に北ベトナム、モンゴルなど世界各地の音楽をプレスしていましたが、アフリカ大陸にも進出して、こんなものまでつくっていたのね!と驚きます。非常に魅力的なグラフィックを眺めてエサ箱に戻します。

Սերգեյ Սիմոնյան/Հայկական Մեղեդիներ、15EU
フォークロアコーナーから何気なく抜き取り試聴して気に入ったアルバム。南コーカサス地方の国、アルメニアのリード楽器奏者Sergey Simonyan。アルメニアだとブライアン・イーノのレーベルからリリースされたDjivan Gasparyanが同じリード楽器奏者として有名だが、この人は西欧には全く紹介されていなさそうな謎めいた人。

Tomasz Stańko/Music 81、10EU
ポーランドのジャズトランペッター、トーマス・スタンコの84年発表の作品。カルテットによるスリリングな展開と演奏を堪能できるA1の「Alusta」。すごくいい!

つづく


2023年4月22日土曜日

カウナス, Kaunas/Plokštelių Parduotuvė

[ WAX made in the USSR / first round vol.11 ]

翌日ヴィリニュスを週末観光し、続いて翌々日やって来たのはリトアニア第二の都市カウナス。ヴィリニュスからバスであっという間に着いてしまいます。カウナスは何年か前映画化され話題を呼んだ杉原千畝の旧日本領事館(現在は杉原千畝記念館)があるので訪問。記念館を後にして、さっそく中心部にあるレコードショップPlokštelių Parduotuvėへ。半地下にあるけど、通りに面しているので見つけやすい店。

店に中には大量のレコードがあり、ソ連盤も潤沢にあります。店主に挨拶しソ連コーナーのレコードをゆっくりチェックし面白そうなアルバムや今まで見たことがないものをピックアップしてたら結構な量に。

旅の前はバルト三国を中心としたソビエト時代のポピュラー音楽に関する知識がほぼゼロだったけど、ここまでの旅でアップデートされていることを実感。床に座ってターンテーブルでジャンジャン試聴をしていきます。店主が地元の常連さんらしき人の接客をしている間に選盤を終了。全部で7枚か8枚くらい購入。少しディスカウントをしてもらった記憶があります。ありがとう!

V. Ganelinas, V. Tarasovas, V. Čekasinas/Con Anima、10EU
リトアニア音楽シーンで長らく活動したロシア出身ミュージシャンで構成されたジャズトリオ。ドン・チェリーの音楽の影響を色濃く感じさせるオーガニックな77年の作品。

Jazz Ensemble Directed By Igor Brill/Утро Земли、10EU
これもロシアの有名ジャズピアニストによるアルバム。冒頭のジャズファンク調の曲を除けば捉えどころがあまりない。コンセプチュアルなんだろうけど、とっ散らかった印象のアルバム。

Medey/Ансамбль «Медео»、20EU
80年代カザフスタン産のいびつなフュージョン〜シンセサイザー音楽。カザフものの割には球数は多いようだ。中央アジアでも西洋音楽のフィルターを通過させた、こういう音楽が作られていたのは不思議なかんじ。

つづく