2019年8月18日日曜日

南海の唄ごえを追いかけて (Diggin' Amami Islands) 6

翌日、レンタルバイクで加計呂麻島を目指してツーリングにでかけました。前日の穏やかな快晴から打って変わってあいにくの雨天。予定を前日と逆にするべきだったと後悔。そんななかでも深く険しい山々と深い緑に覆われた南大島の自然を堪能します。

途中薄着で外出したことも相まって寒すぎる中、セントラル楽器から電話が。前日約束してくれたレコードが倉庫から出土したそうです。あとで再訪を約束。

古仁谷のフェリー乗り場に到着。

フェリーで加計呂麻島に到着する頃にはやっと晴れてきたので一安心。

多くのしま唄の名人を輩出した島は無人島のように静かな場所でした。



夜極限の寒さの中やっとのことで名瀬に辿り着き、アーケード商店街のスーパー、グリーンストアの外に張ってあったチラシの「鍋焼きうどん」の文字に反応し体をぶるぶると震わせながら入店。

2階で鍋焼きうどんを探していると、なんと前日散歩中に出会った「橋の上のおばさん」と再会しました。おばさんは鍋焼きうどんの置き場所を教えてくれました。別れ際おばさんは打ち明けます「私は奄美のユタ神様なのよ・・・最近までブログをやっていたから『奄美、ユタ神、ブログ』検索すると、すぐ見つかるわ」と。

神様なのにブログを書いているとは、なんて現代的な神様だ!きっととても珍しいだろうからすぐに見つかるに違いないと思い、宿で検索してみると・・・なんと!


ユタ神様のブログが無数に出てくる。結局見つけられず挫折。

さらに翌日の朝、帰りの飛行機前にセントラル楽器にお邪魔して、
池野無風/池野無風傑作集
上村藤枝/上村藤枝傑作集
を購入。

最終的に7枚のしま唄の持っていなかったアルバムをゲットして帰路につきます。帰りは行きと違って快適なフライト。

帰宅した次の日、たまに行くリサイクルショップに巡回に行くと、なんとびっくり!しま唄のレコードが2枚ある!なんとも奇遇な巡り会わせことでしょうか。ありがたく捕獲しました(下段中と右の2枚)。

2枚のうちの右下の1枚のコンピレーションの発売元のニューグランドは山田米三氏が名瀬で営んでいた土産物屋のレーベル。山田米三氏は無名であった武下和平をフックアップし世の中に知らしめた、しま唄シーンの超重要人物でその歴史を動かしたと言っても過言ではないくらい。ニューグランドのマスターテープは紛失してしまっているそうなので、全体像が見えない謎のレーベルでもあります。もう1枚はなんとなく買って帰った珍しい鹿児島県民民謡集。B面に5曲の奄美群島のしま唄を収録しているのに聴いてから気がつく始末。



ということで結果的に重々満足な釣果をあげた奄美大島への弾丸トリップ。今後もまだまだこの奄美しま唄の探求はのんびり続くことでしょう。

昭和の日本の裏側を掘りたおす?/デ(ィ)ギン・ニッポンシリーズ第1弾『南海の唄ごえを追いかけて』これにて。


おしまい

2019年8月5日月曜日

南海の唄ごえを追いかけて (Diggin' Amami Islands) 5

セントラル楽器を後にし、散歩がてら歩いて1時間ほどの距離のリサイクルショップに向かいました。事前電話で「しま唄なし」の確認が取れているにもかかわらず。それだけ暇だったのでありましょう。道中の何げない海の景色に心洗われます。

名瀬を出てすぐの海沿いの橋の上で魚を観察していたおばさんに呼び止められて世間話。奄美にLCCが就航する前は大阪や東京なんて滅多に行ける場所ではなかったそう。そんなおばさんは最近バニラエアのチケットを買ったらうまく席が予約できておらず、結局2重払いで予約するはめになったそうだ。恐ろしや!今秋バニラエアはピーチに吸収されて消滅するそう。奄美路線はピーチにバトンタッチされますので、みなさんじゃんじゃん行きましょう。

「橋の上のおばさん」と別れ30分ほど歩いたところ、大通り沿いに「リサイクル」の旗が立っているのに目がとまりました。位置的に目当てにしていた店のものではありません。あたりをキョロキョロすると同じ赤い旗が等間隔である方向へ点々と立っています。それを辿っていくと住宅街にお店を発見。

ありんくりん大城。どうやら最近オープンしたてのようです。地元デ(ィ)ガーの言葉「リサイクルショップが流行っている」がフラッシュバックします。わりと広い店内でお店のおじさんを発見し、レコードの在処を教えてもらいます。このおじさんはムリクリ人を笑わせようとするところがあります。

嘉手苅林昌、山里ゆき子 他/国頭ジントーヨー。
奄美に来て沖縄のレコードを掘り当ててしまいました。今までの他の店でもチラホラ沖縄ものは見かけていました。これはたぶん60年代前半のシングルレコードからセレクトされた曲をまとめた10インチLP。伝説の名人、嘉手苅さんのモゴモゴとした唄い口は(録音マイクのポジションも相まって)素人が楽しむには厳しいものがありますが、メロデ(ィ)ーが一服の清涼剤となってくれます。


違う録音ですが音質がよいのでこちらをどうぞー。
その後、元々の目当ての店に辿り着きましたが、しま唄のレコードはおろか、店の人さえ見つけられず(レコード自体は一箱あり)。歩きまくって帰宿。

つづく