2019年11月24日日曜日

2018 イサーンでレコードひと山当てられるか!? vol.1

いよいよ本編「2018 イサーンでレコードひと山当てられるか!?」の始まり。この年は2泊4日のスケジュールです。

夕方になり、暇つぶしに訪れたバンコクの果てパンティップを後にし、バスでモーチットのバスターミナルに戻ってきました。そして昼間予約した庶民的価格の夜行バスに乗り込みます。今までタイトな日程をこなしてきているので、知らず知らずのうちに疲れも溜まっているのでしょうか、


あっという間に眠りの底へ落ちt ・・・・ぜんぜん寝れない!


短距離でちょくちょく停まる各駅停車みたいなバスだったので、人の出入りで騒がしく、不意打ちのラーメン休憩とかがあり、寝たと思ったら起きるを繰り返し、なかなか寝付けませんでした。それでもじわじわと夢の中へ引きづり込まれていきます。

翌朝、目を覚ますと夢の続きなのでしょうか?目の前にこんな箱とカゴが・・・む・む・む!!!


キターーーwww 今年は早くも初日でクライマックスかーーーーーーーーーーッ?!


カゴの中だけでも無造作にブチ込まれたシングルがいっぱい。さっそく試聴部隊が出撃します。写真では伝わりづらいですが、なかなかハンパない量が詰まっています。

シングルをたぶん400枚ぐらい聞いたでしょうか。もうね、お腹いっぱい  (( ´З`)=3 グフ

モーラムだらけ、凄い高確率でモーラムが出てきます。これは本当に夢の中にいる気分でした。チャウィーワンのトゥーイ〜プルーンとか、ルークトゥーンも含めて70年代黄金時代の王道どころのメンツがジャブジャブ出てくるので、暑さも相まって途中から気持ち悪くなってきます。この気分は例えるならば空腹から一気にいいものを食べ過ぎて消化不良になっている感じでしょうか。

気がつくと昼ご飯も食べずに午後3時くらい。いい時間です。最終的に納得のいくもの91枚を選抜し4200バーツで購入。

แก้วตา พญาแล/อย่ามาซูนคีง
珍しいスリン・パクシリレーベルから、Kewtaa Phayalae(?)というマイナーモーラムによる激キャッチーなヘビー級ルークトゥーン。一度聞けば誰でも歌える。この人は80年代にカセットを残していると思う。




มลฤดี พรหมจักร์/ลำตังหวาย
モンルディー・プロムチャックとチャウィーワン・ダムヌーンのラム・タンワーイが数枚出現。最初は同じ念仏みたいな曲のカバーだと思っていたけど、この日に複数種類出てきたことで、この旋律がモーラムの型のひとつだと後日初めて認識。チャウィーワンのほうは前年ゲットしていたが全く記憶にも印象にも残っていなかった。しかし何種類か並べて聴き比べると面白い。どれも地味なのにかっこいい。




ชะบาไพร นามวัย/ลำเพลินรำวงลักไก่
クワンチャイ・カーラシン・ユックパッタナー楽団、チャバープライのラム・プルーン。すかすかな音質(電気楽器が入っている?)。それが逆に、キャリア終盤にさしかかっいたチャバープライの直後のカセット時代に放たれた最後の閃きを予見させます。




เพลิน พรหมแดน/ว่านมหาสนุก
プルーン・プロムデーンの人気ガンジャルークトゥーン。まるで同時代のエチオピア歌謡とシンクロしそうなホーンサウンドと能天気なコーラスが楽しい。




この予測不能だったクライマックスにより悟りを開きましたもういいや」と

その「今年はもういいや」、という感情が、全く前触れなしにクライマックスに遭遇してしまった人間の末路なのでした。

別名「腑抜け」ともいいますが。そういえばヤツは前年も登場していました。この年は初日から登場することに。「腑抜け」には前年のように「無差別レコード持ってませんか攻撃」を繰り出す情熱は備わっていないのです。

つづく


2019年11月11日月曜日

バンコク, Bangkok/Siam Vinyl

昨年も紹介したバンコクの北の果て、隣県のノンタブリー県にある全体的にやる気のないレコード屋モール、パンティップ。

モーチットのバスターミナルからの夜行バスの出発時間までかなりの時間があったのでついつい訪問。モーチットから104番と134番の路線バスが直通していることを発見しました。

前年も買い物をしたビーの店に向かって歩いている途中この店、Siam Vinylが目にとまりました。「はて?こんな店前もあったっけ・・・」と思いつつ、やけに他の店よりもかっちりとしている店構えに惹かれ入店。

すると、まあまあ大量の7インチシングルを在庫していたので、さっそく臨戦態勢に。セルフ椀子そば形式で試聴を開始。この一年タイのレコードを1枚たりとも買っていないので、やる気がみなぎる。

セルフ椀子そば形式は、プレイヤーで針を飛ばし飛ばししながら、飛ばし聴きしつつ、同時に次に聴くレコードをスリーブから取りださなくてはならないのですが、久々にやると全然上手くできないしスピードが出ません。腕がもう一本欲しい。黒いTシャツの男が聴き終えたシングル盤の山を物色しています。途中ビーが通りがかり、この店でレコードの保管袋を購入していました。ビーに「あとで行くよ」と挨拶。

いつのまにか店主の姿が消えていた。これぞアジアのゆるさ。200枚くらい聴いたでしょうか、モーラムは一枚も登場せず。バンコクでは自分のハードルを下げないともはや何も買えません。ルークトゥーンのシングル12枚を800バーツで購入。

続いてビーの店にいくと、以前の場所からひとつ隣りに移動していました。そして間口が半分に圧縮されている。残骸のような7インチボックスをほじくりルークトゥーンのシングル6枚を600バーツで購入しました。以前は1枚100バーツだと安いと感じていたが、最近は高く感じられるようになってきています。

ちなみにビーの店の隣りにあったミスター・チャンの店はだいぶ前に移転していたというのは聞かされていましたが、この日初めて店の新たな名前が判明。その名もBravo Records。チャットチャック付近にあるというので、色んな人が言う断片的な情報をつなぎ合わせて、あとで探してみましたが見つからず。店名が分かった時点で最初からグーグル先生に聞いてみた方が早かったな。まあ、またそのうち。

たまたまタイ滞在中にタイの昔の音楽にドハマりし、なんとなくそういった音楽を掘り始めて3年目。こうしてバンコクでモーラムの7インチシングルが出てこないエサ箱を栄養失調気味のインコのようにセカセカとつついていると、今や死語といってもいい「タイファンク」という言葉が思い浮かんできた。そんなもんよりモーラムをくれ!もはやバンコクには用はなし、と悟ったり。さっさと、夜行バスでイサーンへ、いざ行かん!!!