2019年12月31日火曜日

2019年ベストディスク11!(暫定版)

確かレコードを買い始めた頃、世の中は正にレコードブームの末期で「日本は世界一中古レコードが高い」とか言われていたような気がする。先日都内繁華街の店に行ってみたら、日本の音楽が高い。そして「For You」ばかり並べた悪趣味な壁!これではファンがどんどん離れていき、ただの嗜好品に堕落してゆくばかり。そんなこととは関係なしに日本国内/国外で今年収穫した70枚くらいのLPレコードから2019年の私的ベスト11は未聴盤が結構あるので選びきれなかったので、とりあえずの暫定ベスト11!(送料含む)

Mamadi Diabate et les Ambassadeurs/A Pas De Géant、¥1000
ユニオンのワールドコーナーで購入。数年前からレコード屋でよく見かけるインパクト満天ジャケット。Les Ambassadeursの演奏でサリフ・ケイタがいないので82年以降の録音なのでしょうか。カンテ・マンフィーラの絶品ギターが心地よいマンデ・ポップ。


Chawiwan Damnoen/Lam Phuthai Yai、1440
Tonchabab record shopで購入。初代モーラムの女王、チャウィーワン・ダムヌーンのシアンサヤーム系列から集めた音源集。当時流行っていたさまざまなモーラムの型を披露しているポップで楽しいアルバム。チャウィーワンのプータイは絶品。

Shelly Thunder /Small Horsewoman、¥680
ユニオンのレゲエコーナーで購入。馬にまたがるセクシーな女性ディージェイ、アーリーダンスホールもの。この時代の打ち込みのビートが肉感的で、シングル盤でスピンしたら気持ち良いだろうな。

Ismael Lô/Diawar、¥200
ユニオンの見切り品箱から購入。ダカールでアルバムを買ったことのあるSuper Jamanoにも数年だけ参加していたというセネガルのシンガー。モダンなギターサウンド、80年代の洗練されたンバラ・ポップ。


Tanya St Val/Tanya St Val、¥300
ユニオンの見切り品箱から購入。グアドループの人気者。変則的なものよりこういった単調なズークの打ち込みリズムのシンセサウンドの方が好み、だということが分かりはじめた。かなり前に江古田のおと虫で他に買うものがなくて何となく買ったファーストを聴き返したらそちらも良かった。

Ken Boothe/Everything I Own、¥4409
ebayで購入。ミスターロック・ステディのイメージが強かったけど、70年代前半のこの録音も素晴らしい歌声。バックの演奏も素晴らしく、日本で出品されると争奪戦になるのも納得。一生聴ける掛け値なしの名盤。

児島未知瑠/Michille、¥2072
ヤフーオークションで購入。全曲松原正樹率いるAKA - GUYによる高品質なバッキング、高音質すぎるマスタリングで、児島未散の透き通るような声質を生かしたプロ仕事、誇張なしで奇跡的な仕上がり。

Angkanang Khunchai/Faen Cha Ya Luem
バンコクでレコード10枚とトレード。シングルの寄せ集めのようなのでアルバムとしての統一感はイマイチだけど、キラーチューンのクオリティーと音圧も解像度も非常に高く◎。

Azymuth/Telecommunication、¥1958
ヤフーオークションで購入。第4の男Hélio Delmiroがつま弾くギターが最高すぎる名曲Last Summer In Rioが7インチよりエグい音質で濃厚。だれか12インチもつくって。ジャケットのイメージどうりの芳醇なこくまろ音楽。

Rosina De Peira E Martina/Trobadors、¥3490
ヤフーオークションで購入。ほぼリアルタイムで日本でもアールヴィヴァンとかで売られていたのだろう。エレクトロニクスを導入し、特殊進化を遂げたオクシタン・フォーク。残念ながら歯擦音が気になるが、他を寄せ付けない緊迫感溢れる声が凄い。

Sidiki Diabaté, Batourou Sekou Kouyate, Djelimadi Sissoko, N'Fa Diabaté/Cordes Anciennes、¥1950
ヤフーオークションで購入。今年はワルジナーさんと縁がなかった。代わりというわけではないけれど、一流グリオ連によるコラの重奏。至福の音がここに。

2019年12月18日水曜日

2018 イサーンでレコードひと山当てられるか!? vol.3 後日譚

イサーンからバンコクに戻りすぐに出国。そして後日帰りにトランジットがてら再びバンコクに1泊。シーロムのタニヤプラザというゴルフショップだらけ、日本人のオッサンだらけのビルにあるAudio Minuteというレコード屋へ初訪問。

ジャズ半分、ポップ・ロック半分、和もの少々・・・って、まるで日本のレコード屋やないか!レコードダンボールに貼られた宛名書きをみると、御茶ノ水のジャズレコードショップから広島に移動し、そこからバンコクに運ばれてきたようです。

こちらはレギュラー盤部屋で、隣りの部屋には帯付き細川綾子などのTBMの(今では)レア盤が驚愕のプライスで、結構な量が鎮座しています。こちらのレギュラー部屋では笠井紀美子の「Butterfly」が500バーツと適価。この差は・・・まあそんなものか。昨年ユニオンのセールでTBMをバカスカ抜いていた、シンガポール人のアマチュアディーラーを発見し、興味半分少し話をした。彼は笠井紀美子のTBMのアルバムを購入していたが、「笠井紀美子はボーカリストか?」と質問された。この現象は・・・まあそんなものか。



ということで駆け足で巡った「2018 イサーンでレコードひと山当てられるか!?」の結果は…

イサーンでの釣り果はさきのシングル92枚、残りはバンコクで購入。今までで一番効率が良い収集でした。潔くカセットもLPも1枚も買わず。帰国後、約10ヶ月をかけてひととおり聞き終えました。良曲満載。記念撮影に床にレコードを並べていたらぎっくり腰を発症。

年々釣り果は質、量ともに進歩していますが「ひと山」にはまだまだ・・・そもそも「ひと山」の定義が曖昧なので、決めてしまおう。いつの日かイサーンの古いラジオ局が1杯分買えるまで!



2019年12月6日金曜日

2018 イサーンでレコードひと山当てられるか!? vol.2

腑抜けと化した翌日のこと。昨日の釣果は、前年イサーンを放浪した「おつり」というか、前年の旅がなければ生まれなかったもの。ただし全く予想してなった爆発なので、この日はレコード欲のかけらも残っていません。「何にも買えなくてもいいや」くらいの軽い気持ちで来ているので、過剰に欲望が湧かず。「探すこと」自体を楽しむほうが、結果より重要と再確認。ライトディガーならではの発想。

ということで、レンタルバイクを借りて小旅行。

途中で、もはや恒例になってきたラジオステーション訪問。こちらは国営のRadio Thailandです。

許可を頂き、ちょこっと拝見。「7インチはない」ということで、完全にカセットテープ時代のプロモ盤LPだけしかない。いくつかラジオステーションをまわることでラジオ局のライブラリーの内容の傾向がボチボチ分かり始めてきました。

ひたすら田んぼと、その中にぽつぽつと木が生えている、これぞイサーンといえる好きな風景の中を疾走。毎年同じ時期、乾期まっただ中に来ている。思えば前国王が崩御した日の夜を除いて、イサーンで雨に降られた記憶がありません。この日もカンカン照りの快晴。途中ハエだらけのオープンエアレストランで昼食。

この年初めて足を踏み入れたアムナートチャロン県。アムナートチャロンの市場の脇にCDショップがあるので、買い物のついでに店のお兄さんにレコード置いてあるとこ知らないか聞いてみます。するとバスターミナルの近くにそういった店があるらしいとのこと。

期待半分でその店に到着すると、なんと日本からの中古品オンリーの店。現在タイではこうした日本からの中古品専門のリサイクルショップが非常に流行っていて、イサーンでもあちこちに店を見かけます。

陳列がかなりハードコア。まさに日本のゴミの山。レコードありますか?とお店のひとに聞くと、レコードが埋まっているところに案内されました。

イサーンの僻地に眠る80年代日本のシティーポップ。残念ながら、当然ながらも日本盤ばかりです。この日は最終的に滝だか、お寺だかを目指していたんですが、日も傾いてきて断念。

さらに翌日、バンコクに戻らなければ行けないので、朝不要な荷物とレコードを整理して郵便局から発送。途中前年訪れたラジオ局が気になり行ってみると、局の新しい建物は出来ていましたが、裏手にあった地図を書いてくれたおばさんの家と他数件の建物が取り壊され更地になっていました。

スリンのボーコーソーは度々利用していますが、この日は小さな虫が超大量発生。裏手に池があるからでしょうか。あまりの多さにバスを待っている子供が発狂しています。遅い時間のバスチケットを取ってしまったので、待っている間が苦痛でした。

つづく