2018年9月30日日曜日

2017 イサーンでレコードひと山当てられるか!? vol.4




翌日、ナコーンパノムのバスターミナルからサコンナコーンに立ち寄ってからウドーンターニーへ向かいます。

サコンナコーンに到着するとバイタクのおっさんたちは特に群がってこなかった。こちらから「レコードありませんか?」とひとりのおじさんに聞く。おじさんガッテン。バイクでちょっと走って街の中心の商店街へ。建物と建物の隙間にあるCD屋に到着。


それから商店街を中心に探索しているとオーディオショップを発見。国境の街ノーンカーイのコレクターにコンタクトを取れと言われる。一応画面をキャプチャ!友達が埼玉に住むというおばちゃんのやっているやや高い食堂で昼ごはんを済ませて、さらにぶらぶら。


すると一件の店?が目にとまる。店先に座っていた青年に聞いてみるとパパと何やら話している。パパのレコードがあると言う。そしてパパが埃を被ったLPレコードひと束、裏から抱えて持ってきた。やった!!80年代ものが多い。選別し3枚だけ抜き出し聴いてみる。1枚モーラムのカセットテープ時代のプロモLPを発見。パパの男気で値段はお前が決めろというので、280バーツで購入。男はモノに頓着しない。

バイク好きの息子レック。レックに店に荷物を置かせてもらい次のバスの時間までさらに散策。住宅街の中を歩いていると、いかにもレコードが紛れていそうな中古の家電で溢れている店を発見するが空振り。店に戻りレックにバスターミナルに車で送ってもらう。ウドーンターニーに到着するともう夜だ。


翌日、ウドーンターニー散策。CD屋とかを覗きながらぶらり。早くも10時前に成果が!開店したての本屋の前に佇む老婆に尋ねると道の反対側を指差す。その方向に行ってみるとこの店が!よくよく考えると老婆はこの店より手前のDVDショップを指差していたのだが、この時まだ開店前でシャッターが閉まっていて分からなかった。しかし結果オーライ。


言葉が全く通じない店のキュートなおばさんと高校生くらいの息子に聞いてみると奥から埃を被ったレコードが!!ほとんど95%潮州系、ルーククルン系だが、出てきたTeungjai Bunpraruksaのアルバム。

しかし何故かこの時点で、これはバーンイェン・ラーケンがルークトゥンを歌ったアルバムだとスリーブ写真から勘違いしていた。単純にLPを無視してた勉強不足が原因。カッコいい曲を1曲発見。これは「バンコクでは幾らか?」みたいな話題になる。ラーケンなら「2000バーツくらいじゃない」とうっかり口が滑ってしまった。この何気ない迂闊な発言でおばさんの心に火をつけたのか、ジェダイ風に言うと「どぎつい交渉」が始まります。息子に助けを求めるも、基本的にママの味方。いつのまにか店内にいたどっかのおじさんは「そんなもん600バーツでオーケーだ、売ってまえ」と言っていますが、火に油を注ぐだけ。おばさんはレコードを抱きしめ鉄壁ガードに入りだします。女はモノに執着するの図。

時間を置き、雑談したり、帰るそぶりを見せたりしながら、うまいことおばさんをクールダウンさせることに成功したのか、800バーツで決着。

さっきのおじさんが「シングルをいーっぱい持ってとるやつを知っとるぞ」と言うので、よし今すぐ行こうと提案するもやんわり断られた。経験的にタイ人は見栄はりな印象がなんとなくあるので、その場の嘘だったかもしれない…いやでも本当だったかもしれない。答えは今も出ない。いつのまにかおじさんは忽然と姿を消していた。


その後、散々広大なビッグウドーンを探索しますが、みつけたのはカラスよけ風に吊り下げられたレコードのみ!あきらめて帰宿。シングル盤が恋しい。

つづく

2018年9月16日日曜日

2017 イサーンでレコードひと山当てられるか!? vol.3




翌日、コンケーンのバスターミナルから向かったのはナコーンパノム。メコン川沿いの明光風靡な街で、メコン川の対岸はラオス。こういう田舎町で一服しようと思って、オンボロバスでニワトリと一緒に、彼らの断末魔の叫びを聞きながら半日かけて運ばれてきました。

到着時ほぼ夕方。東側にメコン川なので朝日のほうが景色が美しい。人生初メコン。半日バスで空腹で死にそうなので飯がてら自転車を借りて街をぶらぶら。


すると、ふと、こんな面構えの店が…こんなに窓に張り付いていたら、レコードがあるってふつう思うじゃないですかっ!


翌日、いつも通りレコードを探しがてら街の中心部を自転車でウロウロ。するとしばらくして化粧道具なんかを扱う雑貨屋に迷い込みました。店番をしている娘さんに聞いてみます。最初はお前はペンが欲しいのか?みたいな感じだったが、お父さんも出てきて、曰くラジオ局に行ってみろということで言伝メモを書いてもらいました。

ナコーンパノムのラジオ局は街はずれにあり人に散々尋ねながら、最後は車で連行されようやく到着。しかしレコードはなし。X JAPAN好きなお兄さんとお茶しながら音楽談義をしたあと1時間くらいで街中へもどる。


次は街の西側を攻めようと自転車をこぎます。するとゴミの回収所のような所を発見。レコードが埋まっているのではないかという錯覚に襲われ入場。「世界のゴミ箱から」的な画像が続きます。

たまたま言葉の通じるおっさんが来てたので通訳してもらい、この回収所の人とコミュニケーション。ここにはないけど、何やら近くにもっと大きなところがあるから行ってみろとのこと。


行ってみたところ確かに大きいが目当てのものはなし。まあこんな場所にあったら奇跡的ですが!「世界のゴミ箱から」あっけなく終了。

さらにその後、太いバイパス沿いに西を目指していたら隣り村に到着。聞き込みをしますが、「タウン!」と言われてしまいます。そりゃそうだ。ぐうの音もでません。ここでさすがにタウンへ引き返します。

引き返す途中のバイパス上でも聞き込みをしていると、工場っぽいところにいた陽気なオッさんが心当たりがあるとのことで電話をかけています。「オレがあとでレコードのある場所に連れて行ってやるからホテルで待ってろ」ということに。期待半分で宿で待ち合わせます。


宿へ戻ってから工場のおっさんに連れて行ってもらうとそこは電気屋でした。おっさんはすぐさま走り去りました。電気屋の主人がガサゴソすると確かにレコードが出てきた!しかし80年代後半のLPのみ。きっとタイのR&Bポップ系のレコードでしょうか?

今日は疲れたし捜索は終了。となりの商店から買ってきたビールを飲みながら主人と会話。昔はシングル盤をたんまり持っていたそうだ。残念!前日の窓にレコードの張り付いた店の真空管アンプの音質についてディスってます。


この街はベトナム戦争で避難してきた人が多く暮らしているようだ。ヤクルトのラミレス監督そっくりの主人もベトナム人だと言っていたので、戦争の被害者なのだろう。となりの商店とをビールを運んで何往復かしたあと、この日は娘さんの結婚式の前夜祭があるそうで誘ってくれた。


車でメコン川沿いの町外れパーティ会場へ。タイ料理をつつきながら電気屋の主人と一緒にビール飲み放題!この夜は親類がただ集まって挨拶をしつつ食事しているだけ。結局誰が娘さんなのか分からなかった。ごちそうさまでした!

つづく

2018年9月11日火曜日

2017 イサーンでレコードひと山当てられるか!? vol.2




翌日、この日はイサーン中央の大都市コンケーンへ向かいます。まずはローイエットから1時間、隣県カーラシンのカーラシンへ。

市場の周りにCD屋さんその1を発見。この店にはお母さんと息子さんと娘さんがいて全員言葉が通じる。超フレンドリー。お父さんの自転車で取ったトロフィーが大量陳列された店内。レコードなら「大学」へ行くべしと言われる。

店先で売ってるエッグタルトを購入していると、お母さんが呼んだ大学行きのサムローが迎えに来た。はて、「大学」とは?

5分ほどで着くとそこはカーラシンの芸術大学。文化芸術の研究保存機関といったところでしょうか。職員を見つけて聞いてみるどもCDはあれどもレコードなし。

街にとんぼ返りすると市場周りにCD屋その2を発見。モンルディー・プロムチャックのCDを1枚購入。その他聞き込みをするも成果なし。そして乗合いワゴンでコンケーンへ。道に迷いながら宿に到着。もう夜。本日はCD 以外はボウズ。

翌日、コンケーンを探索。街は巨大ですが隅々までソンテウが張り巡らさているのでなかなか便利です。カーラシンのCD屋その1の娘さんにコンケーンの「セントラル」にレコードがあるとメモを貰ったが、行ってみると超巨大ショッピングモール。若い人が好きそーな。まさかね〜と思いながら探してみると本当にあった。ちょびっとですが。

旧市街大通り沿いを調査中、古ぼけたオーディオ系電気屋を発見。レコードレーダーが猛反応してます!

店のおばさんに聞いてみると…あらまあ、やっぱりあったレコード!!!イサーン3日目にしてレコードに初遭遇。おばさんはなんで分かったんだと不思議がります。

シングルから見て行きますが、古い洋楽が多い。次にアルバムを見て行きますが箸にも棒にもかかりません。レコードは金持ちの持ち物だったこともあり潮州劇とか新加波中華系が多いです。しかし…

オ…オッッ中華系美女がお出ましに!やりましたね。
なぜ良いものに限っていつもこうなのでしょうか…中身なし。定番ですね。むろん他の全LPジャケの中身をチェックしたのは言うまでもありません。先に誰かが掘り散らかしたのでしょう。ブツブツ…見えない誰かの悪意を感じます。

何やらカセットテープが詰め込まれたダンボール箱の底のほうから、隠れていた裸のデットストック的なカセットテープが出てきました。聴かせてもらいましたがモーラムでした。

日本製の真空管。おばさんが言うにはこの店は今年改装予定だそうで今頃綺麗に生まれ変わっているのかもしれない。

レコードの中から見つけた、ジュークボックス内で熱で縁が曲がったラムプルーンなどシングル数枚を見つけ視聴。

Sonphet Phinyoという男性歌手のラムプルーン。盛り上がった縁のところ以外は一応聴けますが熱の余波で歪んでいて音が歪む。

エキゾなギターの旋律の南海歌謡とスウィングジャズを行き来する、まさにトロピカル・スウィンギンなSane Petchabunのキラールークチューン!来年のギター・マガジンの9月号の特集にどぞ。

A面:ดวงใจ ทองจันทร์ /ชุดพ่อพระในดวงใจ。
シングルの視聴がひと段落してから雑然とした店内をジロジロ眺めていると物陰に新たなLPの束を発見しそこから救出。女性歌手、男性歌手のスプリットアルバム。女性はルークトゥンの一部モーラムと折衷みたいな感じ。男性はよりモーラム寄りな歌い方。打ち込みで80年代の半ばくらいの音の質感。たぶんカセットがオリジナルでしょうか?


結局レコード4枚、350バーツで購入。

その後は中心街を諦め、コンケーン唯一?のレコードショップを探しにコンケーン大学の北側に遠出。ナイトスポットが多い地域。住所を頼りに探してみるが見つからない。住所がおかしいのか?Chiba Shabuという店の女の子に聞けども知らない。1時間くらい探し勝手に潰れたことにして納得し帰宿。

つづく

2018年9月3日月曜日

2017 イサーンでレコードひと山当てられるか!? vol.1




数日後、南の島から身体が引き裂かれるような想いで嫌々コンクリートジャングル、バンコクへと戻ってきました。1泊だけして、運良く夜行バスチケットが取れたので、置き去りにしたレコードを回収してすぐさまイサーンへ向かいます。最初の目的地は直感に従ってマイフェイバリットモーラム、バーンイェン・シーウォンサーの出身県ローイエット県の中心のローイエットへ!


早朝バスはローイエットのバスターミナルに到着。取り敢えず宿に荷物を置きたい、そしてあわよくばシャワーを浴びたい。タイ、ラオスにありがちなバスの到着に群がるタクシーの運転手たち。彼らにモーラムのレコード買いたいんだけど持ってませんかね?と訊ねつつこのタクシー運転手に身を任せる。サムローかモーターサイと思ったら自動車だった。


ホテルに向かう前にCD屋らしき店の前に止まって場所を教えてくれた。あとで来よう。ホテル到着。200バーツ要求するしつこい運転手をフロント嬢とともに100バーツで追い払うと、朝なのにチェックインさせてくれた!


部屋でのんびりしてから、ホテル周りの住宅街で聞き込みをしつつ、歩いて先ほどのCDショップへ。開店中。残念ながらレコード無し。無くて当たり前だけど。数少ないカセットテープを奥から持ってきてくれた。カセットテープ5本、250バーツで購入。分かっていながらルーククルン系を買ってしまった!

その後もウロウロして聞き込みを無差別にしながら、昼食を取ってから、朝到着したバスターミナルへ。とても暑い。ローイエットに見切りをつけて、なんとなく隣県の街ヤソートーンへ行ってみることに。片道1時間くらいでしょうか。


ヤソートーンに到着。バス停から中心街までが遠い。聞き込みをしながら中心街へ到着。CDショップを狭いエリアに2軒発見。こちらの写真の2軒目でシーウォンサーやトーンマイ・マーリーなどCD3枚とカセットテープ3本、500バーツで購入。CDはバンコクの方が安いかな。


その後エッグタルトを小脇に抱えて周辺をブラブラしていると小さな家電屋を発見。カセットが床と什器の間の隙間から結構な数出てきた。しかもモーラムいっぱーい!

シールドだけど床スレスレで30〜40年間耐え忍んだカセットたちは埃まみれ。迎えにきたよ!エッグタルトを放り出しオバさん2人にこれはラムシンだよとか教えてもらいながらセレクト。カセットテープ12本、360バーツで購入。


その後ヤソートーンをあとにしバスでローイエットへ戻った。この日はカセット20本の収穫。モンルディー・プロムチャックの2本が嬉しい!前の年と比べれば上々な滑り出しでしょうか。

つづく