2021年6月28日月曜日

タルトゥ, Tartu/Psühhoteek & Gramophonetree Records

 [ WAX made in the USSR / first round vol.5 ]

3泊したタリンを後にし長距離バスでやってきたのはエストニア第二の都市タルトゥ。タルトゥ大学を中心とした小さな学園都市といった感じ。
午後3時くらいに街に着いて向かったのはGramophonetree Records。建物の2階にあるはずなのだけど、建物の扉が施錠されていて開かない。1階のバーの出入り口には学生でしょうか、若者が異常なほど頻繁に出入りしていました。しばらくしてバーの中から2階に行けることに気がつきます。2階は何部屋かに分かれていて結構立派なライブスペースなんかがあったりして、爆音でリハーサルをしていました。
Gramophonetree Recordsに入ると誰もいませんが、しばらくすると写真右の店主が登場。ロック好きの店主の好みが反映されて筋の通ったセレクション。もう閉店時間ということで急ぎ目でロシア物を1枚購入。

Ponomareva Valentina Dmitrievna/Temptation、8EU。
ロシアのジャズボーカリストによるひとり多重スキャットとドローンや謎の鳴り物を駆使し、あの世に逝っちゃってる感がハンパないアバンギャルドな逸品。

翌日市内を軽く観光し終わり、街の西側郊外をぶらぶら街歩き。この街には東ヨーロッパ唯一と言われるレコードプレス工場があります。せっかくなのでちょっくら覗いていきました。

そして夕方に訪れたのはもう一軒のレコードショップPsühhoteek。上の写真の左側Ahtoが営む店です。営業時間はトリッキーということで、Gramophonetree Recordsの店主が事前に電話で確認してくれていました。今の場所は一軒家ぽい邸宅の半地下で営業中ですが、元々はGramophonetreeの入る建物で店を構えていた模様。

Ahtoは10年代以降の感覚のDJ耳を持っているタイプのディガーで、かつスーパーナイスガイ。多くはないですがソビエト時代のいい感じのグルーヴを持ったレコードを確かな審美眼でセレクトしています。

ロシア極東のレコードたち。よくレコード屋の宣伝文句で「辺境」などと形容しますが、何故だかこのスリーブを眺めていると日本のレコードも十分辺境だぞと感じます。

翌日朝にはバルト三国の2ヵ国目のラトビア共和国の予定。ラトビア産のいいレコードを教えてくれます。

次から次へと運ばれてくるオススメレコードをバンバン試聴します。現地の頼れるレコードソムリエが隣にいるとレコード収集が効率化されます。

Ahtoが見せてくれたイギリスかどこかの音楽雑誌をアンチョコとして保存。

コーカサス地方やモンゴルのレアリティも…。いつかたどり着けるのか。

最後にラトビアのリガのオススメ掘りスポットを教えてくれと頼むと、Ahtoもよく買っているというリガのレコードディーラーに連絡してくれるとのことで感謝。ということで5枚購入。おまけでAhtoが大学図書館の放出でゲットしたというNative Sonのジャズファンク色の濃いキラーアルバム「Shining」のソビエト盤をもらいました。

Andrei Rodionov & Boris Tikhomirov/512 Kbytes、10EU。
ロシアの電子音楽コンビ。当時の西側の影響を受けたザ・シンセポップな曲から、おふざけな曲まであり相当な知能犯というのが垣間見れるアルバム。

Zodiac/Music From The Films、8EU。
2本の映画からゾディアックのサントラ物。以前のコズミックディスコ一辺倒のアルバムよりもロック色やアンビエント色が増していてバラエティー化している。


つづく

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