2021年9月11日土曜日

リガ, Riga/Riga Record Dig

  [ WAX made in the USSR / first round vol.6 ]

タルトゥから夜行バスに揺られ、ようやくエストニアを抜け出してやってきたのはバルト三国の二ヵ国目ラトビアの首都のリガ。昨晩Ahtoが例のリガのレコードディーラーのオーナーに連絡をすぐに取ってくれたようで、彼と翌日待ち合わせの約束をし、バスの中でずっとレコードリストとにらめっこ。おかげで全然寝れてない。

まだ夜明け前、薄暗いうちにリガに到着しバスからたたき降ろされる。取り敢えず予約してあった宿にチェックイン。そしてヘルシンキのRedhill Recordsの店主が教えてくれた例のリガ駅の後ろの市場、リガ・セントラルマーケットへ早朝ディグに向かいます。

市場は美味しそうなものがいっぱい、ちょっとした食堂で朝ごはん。ここはリガのマイフェイバリットスポットに決定。市場のメインとなる大きな建物の外側にもちょこちょこ様々な店があり、早朝にも関わらず営業中のアンティークショップを一軒発見!店の外からガラス越しにレコードが見えたので入店し一枚購入。

Imants Kalniņš/Dzeguzes Balss、2EU。
昨日Ahtoに教えてもらっていたレコード。ラトビアのロック史における非常に重要なアルバムだそうだ。どこか劇場型でコンセプチュアルな構成、サイケデリック極まりないヒリヒリするA面4曲目がなんといっても白眉。





その後お昼前にディーラーのオーナーと指定の待ち合わせ場所で合流し近くの倉庫へ。その名もRiga Record Dig。事前にコンタクトを取れば訪問可能なようです。倉庫は街区を取り囲むとてつもない大きさの建物の裏側にある、これまた大きな裏庭の中に佇む建物の中の一室にありました。初訪問では案内なしでたどり着くことは不可能。倉庫だけど小さな小部屋。また別の場所にメインの倉庫があるみたい。

眠くてしんどいけど、事前に連絡してあったレコードを見せてもらいました。大した話はしていないけど、オーナーはソビエト時代の音楽に非常に精通していて、その知識量と深さは桁外れだと思われます。欲しいものは大体彼が持っている感じ。因みに日本からくる通販の注文はクラッシックばっかりだそうです。コーヒーをいただきながら13枚購入。

Argo/Discophonia、16EU。
なんだか抜けの悪いキック音。ヘンテコな展開。妙な各楽器のミックスバランスの妙。寸止めの美学。お気に入りのアルバム。リトアニア産のカルト電子ディスコ。

Argo/Žemė L、7EU。
同じグループの2枚目のアルバム。客演の男性が歌うバナキュラーな民謡を最初と最後にフューチャーした慈悲深い雰囲気のオーガニック・エレクトロニクス・チルアウト・ミュージック。

Igor Czerniawski/Discophonia、12EU。
在ポーランドのロシア人シンセサイザー奏者。仄暗く重々しいダウンテンポ、シンセポップからフィードバックノイズまみれのポストロックを10年先どりしたようなアバンギャルドな曲まで。

Mikhail Chekalin/Concerto Grosso - II、8EU。
ロシア人シンセシスト、作曲家の12枚のLPレコードとして発表された実験色色濃い「火星」シリーズの最終作。シンセサイザーと人声を駆使して映像的な空間を構築している逸品。

つづく

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