2017年12月3日日曜日

ダカール, Dakar/Torobee Distribution




カーボヴェルデからやってきたのはセネガルの首都ダカール。アフリカ大陸最西端!カーボヴェルデで見事にボウズだったからレコード探しに多少気合が入っていた。まずは下調べで情報をゲットしたSandagaマルシェへ。タクシーから降りて露店が道に溢れゴチャゴチャした道を歩き出す。アジア人浮く。まあ買い付けで来てたっぽい日本人女性もいたけど…
すると程なく老人が営む店先からダンボールとその中身が行く手に倒れてきた。中身はカセットテープ。すかさず拾い上げ「バイナル持ってないですか?」と老人に質問。するとあっちを指差すので、そちらに行ってみるとレコード屋1軒目発見!
しかしインターナショナルな盤やウェストインディ、ズークもの多し。ここは見つけやすいからいいものは残ってないのだろう。あとでこの店の前を再度通りかかったら白人のおっさんがレコードをみてた。


バオバブツリー!生まれて初めて見たその姿に感動!
その後マルシェ内とその北隣の地区を人に聞きまくりながら行ったり来たり。適当に質問していると協力者が次々に現れ、2時間くらい彼らの中をたらい回しにされながら着いて行く。人家や路上ガラクタ中古電気屋を巡った。レコードあるにはあるが目当てのものがない。バオバブやユッスー関連のものが欲しいのに出てこない!そしてたらい回しから一旦解放され、1軒目のレコード屋のある通りに戻って聞き直し。
正午すぎだろうかジワジワと体力を奪うアフリカの太陽の光を受けながら歩く。ある店先でサリフケイタが歌うLes Ambassadeursの西アフリカアンセムといわれる"Mandjou"が流れていた。感動して気晴らしに"Mandjou"を歌っている時、その男は現れた。20代中盤、ラスタっぽい出で立ち、名前はママドゥ、お土産屋を営んでいる…らしい。ママドゥはバオバブとかのセネガルの古いレコードを売ってる場所を知っているらしかった。散々歩き回った後なのでふてくされながら渋々着いて行く。どうせ無いよなと思いつつ…インスティテュート・フランセという施設に連れていかれた。塀に囲まれたなんだかやけに綺麗な場所だ。中には白人が頻繁に出入りしている。敷地に入るのに荷物チェックし中へ。


するとホントにレコード屋が!ママドゥ疑ってゴメン!!なんでこんな所に…開いた口が塞がらない。自力では絶対見つけられなかった。今日巡って来たどの店よりもレコード屋然としている。ただし屋根は無いが。その名もTorobee Distribution。
興奮を抑え早速カウンターの裏のレコードをペラペラめくるがバオバブが出てこない。店主に聞くとカウンターの下から隠していたレコード箱を引っ張り出してきた。20枚くらいだけど中身は卒倒しそうなセネガルレコード史そのもの。もちろんバオバブも。
しかーし値段は一律1枚50000CFA。おおよそ9000円也。店主希少価値をしっかりご存知のようだ。すかさず値下げ交渉してみるが店主によると謎のスイス人コレクターの為に集めたので簡単には売れないし値下げしないのいってんばり。ホントかよ!?20分ほど粘ってみたが、かつて経験したことのないほどの店主の鉄壁の防御に為すすべはなかった。結局諦めママドゥと共に退散した。


打ちのめされた日本人をよそにママドゥは諦めていなかった。今度は訛りの激しい英語を話す巨漢の友人が合流し再びマルシェでレコード探し。しばらくするとママドゥ何やら電話をかけている。ママドゥによると友達の親父がバオバブ世代のミュージシャンだったらしく当時のレコードをコレクションしてて…ホンマかいな!?
その友達(さらに巨漢)とも合流し親父の家へ永遠と歩いて向かう。この時点で相当歩き回ってるのでヘトヘトだ。セネガル人は足が長くて歩くのが早い。
どこだかよくわからないダカールの下町にある家に着くと親父の部屋には鍵が掛かっているので息子が留守の親父に電話している。でも親父は以前にレコードをどこかへ処分してしまったらしく空振り。


マルシェへ帰る帰り道、色々とママドゥにボヤいていると、ママドゥはささやいた。
「さっきのTorobee Distributionの親父は俺が一緒にいるから値引きに応じないんじゃないかな。客を連れて来たから俺からあとでコミッションを要求されるんじゃないかと考えている。ひとりでもう一度行ってみなよ…」ママドゥありがとう、君は神様か!ママドゥに分かれと感謝の意を告げる。
そして最後の望みをかけ再びTorobee Distributionへ。しかし店主がいない。店主が帰ってくる間、先程から店の隣にたむろしてるオジさん達を味方にしようと画策したが失敗。店主が帰って来たのでネゴするがやっとの思いで45000CFAまで承諾を得た。もはや万策尽きた…経験上ボウズで帰るのは結局後悔するだけなので気持ちを整理し状態が良くかつ珍しいものを2枚セレクト。店主は写真を撮って宣伝してくれよとリクエスト。気がつけば8時間くらいレコードを探していた日だったが久々に冒険ができてよかった!


Ifang Bondi/"Saraba"、45000CFA。
セネガルではなくセネガルに囲まれた国、ガンビア出身のグループ。長くヨーロッパをツアーしたらしく、そのおかげかサイケデリックな感覚を持ち合わせているマンディングサウンド。まさかの目に見えないプレスミスが!

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