中国本土深圳からいよいよ香港入り。香港編の始まりだ!
越境の緊張からか下痢が止まらない。お腹は全然痛くないのが救いだ。
香港のレコードショップに関してはインターネット上にたくさん情報があるし、香港に着いてから調べればいいやと思ってたので事前に何も調べていない。
旺角で取った安宿があるビルの2軒となりのビルにレコードショップがあった。歩いて1分で行ける。知らず知らずのうちに養われたレコードレーダーが反応してたのだろうか?
ここ旺角は世界でも指折りの人口密度を誇る。レコード屋も集中していて何軒かに行ってみたが収穫があったのはこの店のみ。
Ducky's Vinyl Records/得記唱片。
マンション系のレコード屋だ。エレベーターを使いフロアを上がる。
不思議と入るのに緊張は全くない。初めてなのに心はまるで常連気分だ。
扉を開けると1万枚以上はある大量のレコードと男女が二人立っている。女性は40代半ばくらい、男性は60代か。
きっと男性が店主なんだな。女性はきっと音楽ライターだろうと妄想する。
暫くすると男性の方がビヨーンビヨーン的な間の抜けたロボットのような声で話し出した!
腰を抜かしそうになるも、下痢をしてるので脱○しないためにもなんとか持ちこたえた。ここは人間の皮を被ったロボットが昔の人間がつくったレコードを収集する近未来都市なのか?!
ビックリしてロボットを見る。すると話すときに胸ポケットから何かを取り出してそれを喉にあてがっている。
男性はロボットではなく、ただ単に喉に障害を持っているようだ。会話を補助する器具を使用しているみたいだ。タバコの吸いすぎだろうか?心の中で密かに愛を込めてボコーダーおじさんと名付けた。
とんでもない所に来てしまったと動揺するも、勘違いと分かりすぐに気持ちを持ち直しレコードをホリホリ。
入り口付近は英米のロック・ポップスが多いな。
店の中央にはジャパニーズコーナーなんかもある。松田聖子、谷村新司、The ALFEE…。後で他の店で教えてもらうが、香港にあるこういった70、80年代の日本のレコード、そして90年代の安室ちゃんなどのCDは当時リアルタイムで大量に輸入され、香港人によって聴かれていたものだそうだ。日本を含めた東アジアは映画や音楽、ファッションなどを介してひとつながりのマーケット、文化圏を形成していたのだ。なんだかノスタルジーを感じる。
ボコーダーおじさんはレコードを視聴し始める。なんだ客だったのか。
深圳で感じた広物ブーム(コウブツブーム、80年代の広東ポップスを主とする)を肌で感じるためにジャケットを頼りに20枚くらいチョイスし視聴。
店の視聴機はボコーダーおじさんによって占拠されてるので持参した自前のターンテーブルで。
しかしどれを聴いてもシックリこない。予想では10枚に1枚くらい良質なシティーポップ的なものや、バレリックなナンチャラなニューディスカバリーがあるはずだったのに。どうやら80年代の音に広東語の歌が乗ると凄まじく硬い印象のポップスになってしまうようだ。はっきり言って苦手。
深圳でも香港でもやたらと高い鬼太鼓座。なんでだ?
広物を諦め代わりに70年代の英語詞ポップスにシフト。
Teresa Carpio/ST、HKD98。
伸びやかなボーカル、フリーソウル的というかなんというか、今の時代にもしっかりフィットするボトムのしっかりしたポップス。いい!
The New Topnotes/Where Do We Go From Here、HKD88。
香港的ではないエスニックな顔立ちのジャケットとSea Windのカバーに反応し視聴して大正解。ファンキーでメロウ、ソウル・ディスコ系グループ。
ボコーダーおじさんはいつの間にかいなくなっていた。
代わりに会社をサボって縦置きクラシック棚をしゃがんでディぐる若者の姿が。
長居すると下痢が心配なので、女性店主に何故かディスクユニオンのレコードバックに2枚のレコードを入れられ1時間ほどで退店。
安宿に戻り休憩し今度は少し北上し深水埗の電気街へ。この一帯にレコードショップが複数ある。
しかし夜になり閉店するような時間だ。1件だけ。
HO唱片行。電気街のメインの通りにあるが、それの南側に交差する通りを渡った向こう側、ひっそしりした場所にある。CDメインで広物レコードも300枚くらいあった。夫婦で店を営んでいるようだ。
Teresa Carpio/ST、HKD90。
昔からの有名盤、フリーソウルクラシック。香港のレコードはわりと綺麗なものが多い気がする。
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