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2023年9月6日水曜日

カウナス, Kaunas/Vinilo Oazė

[ WAX made in the USSR / first round vol.12 ]

次にやって来たのはカウナスの中心部から東郊外に離れて位置するレコード店Vinilo Oazė。中心部から路線バスで1.3ユーロほど。まず入店してびっくりしたのはレコードの量!間違いなくバルト三国屈指の陳列量。広い店内いっぱいに細かくよく整理されている感じで、お客さんがレコードを見やすい。

この夜の深夜バスでいよいよバルトを脱出しワルシャワへ向かう予定なので、のんびりはしてられなく、欧米のレコードが多い中、ご当地音楽のコーナーがちゃんとあるので、いつも通りそこを優先的に見ます。

途中別のコーナーにメロディア社製のフォークロア音楽のレコードの束を発見。メロディアはソビエト連邦以外に、社会主義圏を中心に北ベトナム、モンゴルなど世界各地の音楽をプレスしていましたが、アフリカ大陸にも進出して、こんなものまでつくっていたのね!と驚きます。非常に魅力的なグラフィックを眺めてエサ箱に戻します。

Սերգեյ Սիմոնյան/Հայկական Մեղեդիներ、15EU
フォークロアコーナーから何気なく抜き取り試聴して気に入ったアルバム。南コーカサス地方の国、アルメニアのリード楽器奏者Sergey Simonyan。アルメニアだとブライアン・イーノのレーベルからリリースされたDjivan Gasparyanが同じリード楽器奏者として有名だが、この人は西欧には全く紹介されていなさそうな謎めいた人。

Tomasz Stańko/Music 81、10EU
ポーランドのジャズトランペッター、トーマス・スタンコの84年発表の作品。カルテットによるスリリングな展開と演奏を堪能できるA1の「Alusta」。すごくいい!

つづく


2023年4月22日土曜日

カウナス, Kaunas/Plokštelių Parduotuvė

[ WAX made in the USSR / first round vol.11 ]

翌日ヴィリニュスを週末観光し、続いて翌々日やって来たのはリトアニア第二の都市カウナス。ヴィリニュスからバスであっという間に着いてしまいます。カウナスは何年か前映画化され話題を呼んだ杉原千畝の旧日本領事館(現在は杉原千畝記念館)があるので訪問。記念館を後にして、さっそく中心部にあるレコードショップPlokštelių Parduotuvėへ。半地下にあるけど、通りに面しているので見つけやすい店。

店に中には大量のレコードがあり、ソ連盤も潤沢にあります。店主に挨拶しソ連コーナーのレコードをゆっくりチェックし面白そうなアルバムや今まで見たことがないものをピックアップしてたら結構な量に。

旅の前はバルト三国を中心としたソビエト時代のポピュラー音楽に関する知識がほぼゼロだったけど、ここまでの旅でアップデートされていることを実感。床に座ってターンテーブルでジャンジャン試聴をしていきます。店主が地元の常連さんらしき人の接客をしている間に選盤を終了。全部で7枚か8枚くらい購入。少しディスカウントをしてもらった記憶があります。ありがとう!

V. Ganelinas, V. Tarasovas, V. Čekasinas/Con Anima、10EU
リトアニア音楽シーンで長らく活動したロシア出身ミュージシャンで構成されたジャズトリオ。ドン・チェリーの音楽の影響を色濃く感じさせるオーガニックな77年の作品。

Jazz Ensemble Directed By Igor Brill/Утро Земли、10EU
これもロシアの有名ジャズピアニストによるアルバム。冒頭のジャズファンク調の曲を除けば捉えどころがあまりない。コンセプチュアルなんだろうけど、とっ散らかった印象のアルバム。

Medey/Ансамбль «Медео»、20EU
80年代カザフスタン産のいびつなフュージョン〜シンセサイザー音楽。カザフものの割には球数は多いようだ。中央アジアでも西洋音楽のフィルターを通過させた、こういう音楽が作られていたのは不思議なかんじ。

つづく

2022年11月30日水曜日

ヴィリニュス, Vilnius/Thelonious

[ WAX made in the USSR / first round vol.10 ]

旧市街を彷徨っていると日も暮れてしまい、雨まで降り出してすっかり真っ暗に。続いて辿り着いたのは小さな扉を開けた瞬間に階段が現れるレコード店のThelonious。知らない人が扉を開けたらびっくりしてオットっとするに違いない。

急な階段を恐る恐る降りて地下へと吸い込まれてゆきます。上の垂れ下がっている壁に頭をぶつけないように注意が必要!

レンガ造りの店に入るとそこはオーディオのショールーム。何も知らずにやって来たけども、どうやらジャズが得意のレコード店のようです。ジャズとオーディオ。 世界共通のマッチング。しかしこのレンガの空間、音響的にはどうなのだろうか?

店のおじさん二人によると、 日本の阿部薫とかのフリー系の音源を、クレジットを見るとユニオンとかを通して? ライセンスして自前のレーベルから販売しているそうです。立派なカタログが揃っています。

奥にはセロニアス・モンクが鎮座する中古のレコードコーナーがあるので、ソビエトのジャズコーナーを拝見。すると前から欲しかったリトアニアのジャズのアルバムが出てきました。以前同じアルバムをリトアニアの店でネット注文しましたが、盤に問題があるとのことで問答無用でキャンセルされた経験がありました。ヤッタネ、と喜びながら検盤すると物凄い塩ビ焼けが!とことんついていません。

Инструментальный Ансамбль Под руководством Д. Голощекина、 13EU。
代わりにロシアのレニングラードのジャズコンボのアルバムを発見。ジャケットのミニスカートの美女に惹かれて試聴させてもらうと幾分古めかしくもいい演奏、いい感じのギターに酔いしれたので購入。

Skirmanto Sasnausko Džiazo Kvartetas/Giesmés Vaikams、 10EU。 
塩ビ焼けで諦めたアルバムは三度目の正直か、このあとすぐ訪れた工芸品や現地の現行の音楽に強い店Ragainéですぐ発見!

 後で気になって注文履歴を探して店名を見てみると、あの塩ビ焼けの個体はなんのこっちゃない以前キャンセルされたレコ ードそのものでした。あんなに焼けた盤が送られてこなくてよかった。キャンセルしてくれてありがとう!

つづく

2022年10月1日土曜日

ヴィリニュス, Vilnius/VINILO STUDIJA

[ WAX made in the USSR / first round vol.9 ]

ラトビアのリガを後にし、またまた長距離バスでやってきたのはバルト三国最後の国リトアニアの首都ヴィリニュス。旅も終盤であります。どんよりとした初冬の天気、早めの時間に着いたのでさっそく街を探索。最初に見つけたのがこちらのレコード店、VINILO STUDIJA。そう広くない店内にレコードがぎっしりとつまっています。

天井には色とりどりのカラー盤やピクチャー盤の飾りがぶる下がっています。NIVEAのレコードってなんやねん、なんだか気になりますね。カラー盤大好きな店主。

奥の方の角っこにぎっしり詰め込められたソビエトのジャズを探索。少し高めのプライスのように感じたので、ポップスにスイッチ。ロシアの大歌手アーラ・プガチョアのアルバムを発見したので試聴コーナーで試聴させてもらいました。2枚購入。

Alla Pugachova/Mirror Of The Soul、13EU。
先日ロシアのウクライナ侵攻に反対の声を公にした事で話題となっていたプガチョア。その後の快進撃を見せる彼女の原点的なファーストアルバム。結果的に根性で見つけたと言っても過言ではない2枚組バージョンのエクスポート版!

つづく

2022年3月31日木曜日

リガ, Riga/FOTO-56

   [ WAX made in the USSR / first round vol.8 ]

Riga Record Digのオーナーと別れVINYLLAを後にして何件かレコード屋をちょこちょこと覗きながら宿の方へ戻ってきました。そして最後にたどり着いたのがリガで一番の魔窟であるこのFOTO-56。店名のとおりカメラ関係のお店であったろう店内が大量のレコードに埋め尽くされている本末転倒系の立派なレコード屋さん。

ジャンル分けがされているような、されていないようなラフな陳列。ソビエト時代のレコードは床置き状態!こういう雑然とした状態でレコードが大量に置かれているとワクワクしますね。早く宿に帰り睡眠を取りたいけどもうひと掘りします。

レコードの山の中にちょこっとあるカメラ用品。床に置いてあるソビエトものから気になるものをバンバン抜きだし試聴しまくります。この日は数枚購入し帰宿。体力の限界です。

翌々日再び来店し挨拶代わりに店主にりんごを渡すとお返しにバナナをくれました。そして前回の続きを見ていきます。ウクライナのグループでなかなかユニークなものを新発見したりも。

昼休憩を挟みつつ大量に見て聴くも中々よい曲の入ったレコードは見つからず。いいものといえば、そうあの人、ラトビア音楽界のゴッドファーザーRaimonds Paulsが絡んだ関係先ばかりだと実感。
ということでその関係先のレコードを中心に14枚くらい店主とのディスカウント交渉を経て購入。

Eolika/Rīgas Sapņi、10EU。
ラトビアの80年代中心に活躍したポップ・ディスコアンサンブル。邦題は「リガの夢」。Raimonds Paulsの曲も取り上げいい感じのポップさ。

Mirada Zīvere/Viena Diena Manā Mūžā、7EU。
Raimonds Paulsが創始者のグループModoのボーカリストのソロアルバム。演奏もModo。A面をRaimonds Pauls、B面をModoでのPaulsの後任であるZigmars Liepinsが手がけている。キラー曲満載。ごく一部しか聴いていないわけだけども、ラトビアのポップミュージック屈指の作品にちがいない。

Raimonds Pauls/Naktsputni、3EU。
Raimonds Paulsの78年の自身名義のアルバム。演奏はModo、ヴォーカル陣もMirada ZīvereらModoから、ジャケットデザインが秀逸ときて、もうすべてがここに揃った完璧なレコード。

つづく


2021年11月27日土曜日

リガ, Riga/VINYLLA

  [ WAX made in the USSR / first round vol.7 ]

続いてやってきたのはVINYLLAというレコード店。Riga Record Digのオーナーが近くにレコード屋が一軒あるよ、と言って連れて行ってくれました。オーナー同士も友達であいさつ。事前ネットリサーチでは全くヒットしなくて、当時できたばかりの店のよう。こんなふうに偶然たどり着く店があるのも旅掘りの魅力のひとつ。

広くも狭くもないけれど、天井が高くてレコードの量も多い店内。洋楽のロックがメインでソビエトものは床か端っこのほうに。オーナーのほかに週末ということもありスタッフが2名。リガの観光中心地からは徒歩20分以上とだいぶ離れていて地元のお客さんが中心。

中古のレコードを購入するとヨーロッパで人気の洗浄マシーンOkki Nokkiでレコードを洗浄してくれるというありがたいサービスが。スタッフの女の子がレコードを洗浄してくれて、店内に洗浄液を吸い込むバキュームの音が響き渡ります。

壁際に飾られた豪華なブームボックスコレクション。ここのオーナーはビンテージマシーンが好きなよう。

マシーンついでにレコードを購入するとタダで飲めるコーヒーマシーンも。小さな子連れのあ母さんが1ユーロの中古レコードを購入してコーヒーをテイクアウトして出て行きました。レコード2枚購入したので帰りがけに真似してテイクアウト。

Raimonds Pauls, Jānis Peters/Sister Carrie、5EU。
ラトビアのコンポーザー、鍵盤奏者、ゴッドファーザーRaimonds Paulsによるミュージカルのサントラ。B面2曲目の「The Detectives」などRaimonds PaulsでMirdza Zīvereがボーカルで参加しているとくれば間違いなし!ということは後々すぐに分かってくる。


つづく

2021年9月11日土曜日

リガ, Riga/Riga Record Dig

  [ WAX made in the USSR / first round vol.6 ]

タルトゥから夜行バスに揺られ、ようやくエストニアを抜け出してやってきたのはバルト三国の二ヵ国目ラトビアの首都のリガ。昨晩Ahtoが例のリガのレコードディーラーのオーナーに連絡をすぐに取ってくれたようで、彼と翌日待ち合わせの約束をし、バスの中でずっとレコードリストとにらめっこ。おかげで全然寝れてない。

まだ夜明け前、薄暗いうちにリガに到着しバスからたたき降ろされる。取り敢えず予約してあった宿にチェックイン。そしてヘルシンキのRedhill Recordsの店主が教えてくれた例のリガ駅の後ろの市場、リガ・セントラルマーケットへ早朝ディグに向かいます。

市場は美味しそうなものがいっぱい、ちょっとした食堂で朝ごはん。ここはリガのマイフェイバリットスポットに決定。市場のメインとなる大きな建物の外側にもちょこちょこ様々な店があり、早朝にも関わらず営業中のアンティークショップを一軒発見!店の外からガラス越しにレコードが見えたので入店し一枚購入。

Imants Kalniņš/Dzeguzes Balss、2EU。
昨日Ahtoに教えてもらっていたレコード。ラトビアのロック史における非常に重要なアルバムだそうだ。どこか劇場型でコンセプチュアルな構成、サイケデリック極まりないヒリヒリするA面4曲目がなんといっても白眉。





その後お昼前にディーラーのオーナーと指定の待ち合わせ場所で合流し近くの倉庫へ。その名もRiga Record Dig。事前にコンタクトを取れば訪問可能なようです。倉庫は街区を取り囲むとてつもない大きさの建物の裏側にある、これまた大きな裏庭の中に佇む建物の中の一室にありました。初訪問では案内なしでたどり着くことは不可能。倉庫だけど小さな小部屋。また別の場所にメインの倉庫があるみたい。

眠くてしんどいけど、事前に連絡してあったレコードを見せてもらいました。大した話はしていないけど、オーナーはソビエト時代の音楽に非常に精通していて、その知識量と深さは桁外れだと思われます。欲しいものは大体彼が持っている感じ。因みに日本からくる通販の注文はクラッシックばっかりだそうです。コーヒーをいただきながら13枚購入。

Argo/Discophonia、16EU。
なんだか抜けの悪いキック音。ヘンテコな展開。妙な各楽器のミックスバランスの妙。寸止めの美学。お気に入りのアルバム。リトアニア産のカルト電子ディスコ。

Argo/Žemė L、7EU。
同じグループの2枚目のアルバム。客演の男性が歌うバナキュラーな民謡を最初と最後にフューチャーした慈悲深い雰囲気のオーガニック・エレクトロニクス・チルアウト・ミュージック。

Igor Czerniawski/Discophonia、12EU。
在ポーランドのロシア人シンセサイザー奏者。仄暗く重々しいダウンテンポ、シンセポップからフィードバックノイズまみれのポストロックを10年先どりしたようなアバンギャルドな曲まで。

Mikhail Chekalin/Concerto Grosso - II、8EU。
ロシア人シンセシスト、作曲家の12枚のLPレコードとして発表された実験色色濃い「火星」シリーズの最終作。シンセサイザーと人声を駆使して映像的な空間を構築している逸品。

つづく

2021年6月28日月曜日

タルトゥ, Tartu/Psühhoteek & Gramophonetree Records

 [ WAX made in the USSR / first round vol.5 ]

3泊したタリンを後にし長距離バスでやってきたのはエストニア第二の都市タルトゥ。タルトゥ大学を中心とした小さな学園都市といった感じ。
午後3時くらいに街に着いて向かったのはGramophonetree Records。建物の2階にあるはずなのだけど、建物の扉が施錠されていて開かない。1階のバーの出入り口には学生でしょうか、若者が異常なほど頻繁に出入りしていました。しばらくしてバーの中から2階に行けることに気がつきます。2階は何部屋かに分かれていて結構立派なライブスペースなんかがあったりして、爆音でリハーサルをしていました。
Gramophonetree Recordsに入ると誰もいませんが、しばらくすると写真右の店主が登場。ロック好きの店主の好みが反映されて筋の通ったセレクション。もう閉店時間ということで急ぎ目でロシア物を1枚購入。

Ponomareva Valentina Dmitrievna/Temptation、8EU。
ロシアのジャズボーカリストによるひとり多重スキャットとドローンや謎の鳴り物を駆使し、あの世に逝っちゃってる感がハンパないアバンギャルドな逸品。

翌日市内を軽く観光し終わり、街の西側郊外をぶらぶら街歩き。この街には東ヨーロッパ唯一と言われるレコードプレス工場があります。せっかくなのでちょっくら覗いていきました。

そして夕方に訪れたのはもう一軒のレコードショップPsühhoteek。上の写真の左側Ahtoが営む店です。営業時間はトリッキーということで、Gramophonetree Recordsの店主が事前に電話で確認してくれていました。今の場所は一軒家ぽい邸宅の半地下で営業中ですが、元々はGramophonetreeの入る建物で店を構えていた模様。

Ahtoは10年代以降の感覚のDJ耳を持っているタイプのディガーで、かつスーパーナイスガイ。多くはないですがソビエト時代のいい感じのグルーヴを持ったレコードを確かな審美眼でセレクトしています。

ロシア極東のレコードたち。よくレコード屋の宣伝文句で「辺境」などと形容しますが、何故だかこのスリーブを眺めていると日本のレコードも十分辺境だぞと感じます。

翌日朝にはバルト三国の2ヵ国目のラトビア共和国の予定。ラトビア産のいいレコードを教えてくれます。

次から次へと運ばれてくるオススメレコードをバンバン試聴します。現地の頼れるレコードソムリエが隣にいるとレコード収集が効率化されます。

Ahtoが見せてくれたイギリスかどこかの音楽雑誌をアンチョコとして保存。

コーカサス地方やモンゴルのレアリティも…。いつかたどり着けるのか。

最後にラトビアのリガのオススメ掘りスポットを教えてくれと頼むと、Ahtoもよく買っているというリガのレコードディーラーに連絡してくれるとのことで感謝。ということで5枚購入。おまけでAhtoが大学図書館の放出でゲットしたというNative Sonのジャズファンク色の濃いキラーアルバム「Shining」のソビエト盤をもらいました。

Andrei Rodionov & Boris Tikhomirov/512 Kbytes、10EU。
ロシアの電子音楽コンビ。当時の西側の影響を受けたザ・シンセポップな曲から、おふざけな曲まであり相当な知能犯というのが垣間見れるアルバム。

Zodiac/Music From The Films、8EU。
2本の映画からゾディアックのサントラ物。以前のコズミックディスコ一辺倒のアルバムよりもロック色やアンビエント色が増していてバラエティー化している。


つづく