2016年12月15日木曜日

香港, Hong Kong/Paul




深水埗にはまだまだレコード屋がある。地下鉄出口Cの目と鼻の先マンション内、ポールおじさんのレコード屋だ。
ドアのベルを鳴らすと中にポールおじさんがいて入れてくれた。
ポールおじさんはヨーダとスメアゴルを足して2で割ったような初老の男性。
中に入るとビックリ!レコードダンボールが何層にも積まれている。レコード屋というより倉庫だ。そしてここに住んでいる。マンション住まいというよりレコードに住んでいるのだ。レコードで出来た階段を昇り降りしせわしなく奥の部屋とを行き来している。


「来年で60歳になるけどオイラはまだ60年代のレコードを売っている」
彼の半生を題材に小さな本が出版されていたり香港レコード界きっての有名人のようだ。ベトナム戦争から帰還し、香港のストリートでレコードでのし上がったらしい。
次々に地元ディガーやレコードを売りに来る人、そして奥さんと娘さんまでも入ってきて立っているスペースがない。昨日はレコスケのイラストレーターとして有名な本秀康氏が訪問されたそうだ。お土産の川本真琴の可愛い7インチを見せてくれた。きっとあれもポールおじさんの住処の一部になるのだろう。
Hang Sing LP Recordsで購入したThe New Topnotesのレコードを見せるとダンボールから色々出してくれる。そして水を盤面に吹きかけ、レコードを再生してくれる。そして普通のティッシュでゴシゴシする。ミクロの傷が量産されるのでやめてくれと頼むが、ポールおじさんはなかなか頑固者で止めようとしない。


Unknown Artist/7-A-Side、HKD120。
当時このレコードを購入すると7UPを2本おまけでもらえたそうだ。覆面バンドによるソウル・ディスコ。
傷が多く他のやつに取り替えてくれと頼むがもう持ってないと言われ渋々購入。多分絶対いっぱい持ってる!ホテルで聴いたら案の定針飛びが…とほほ。


潘迪華/我愛你、HKD980。
熟考後後日また訪れレベッカ・パンを購入。レベッカのDiamondレーベル時代の中ではこれが一番珍しい気がする。60年代の香港の粋、芳醇なコスモポリタン歌謡。HKD20だけディスカウントしてくれた。


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