2021年11月27日土曜日

リガ, Riga/VINYLLA

  [ WAX made in the USSR / first round vol.7 ]

続いてやってきたのはVINYLLAというレコード店。Riga Record Digのオーナーが近くにレコード屋が一軒あるよ、と言って連れて行ってくれました。オーナー同士も友達であいさつ。事前ネットリサーチでは全くヒットしなくて、当時できたばかりの店のよう。こんなふうに偶然たどり着く店があるのも旅掘りの魅力のひとつ。

広くも狭くもないけれど、天井が高くてレコードの量も多い店内。洋楽のロックがメインでソビエトものは床か端っこのほうに。オーナーのほかに週末ということもありスタッフが2名。リガの観光中心地からは徒歩20分以上とだいぶ離れていて地元のお客さんが中心。

中古のレコードを購入するとヨーロッパで人気の洗浄マシーンOkki Nokkiでレコードを洗浄してくれるというありがたいサービスが。スタッフの女の子がレコードを洗浄してくれて、店内に洗浄液を吸い込むバキュームの音が響き渡ります。

壁際に飾られた豪華なブームボックスコレクション。ここのオーナーはビンテージマシーンが好きなよう。

マシーンついでにレコードを購入するとタダで飲めるコーヒーマシーンも。小さな子連れのあ母さんが1ユーロの中古レコードを購入してコーヒーをテイクアウトして出て行きました。レコード2枚購入したので帰りがけに真似してテイクアウト。

Raimonds Pauls, Jānis Peters/Sister Carrie、5EU。
ラトビアのコンポーザー、鍵盤奏者、ゴッドファーザーRaimonds Paulsによるミュージカルのサントラ。B面2曲目の「The Detectives」などRaimonds PaulsでMirdza Zīvereがボーカルで参加しているとくれば間違いなし!ということは後々すぐに分かってくる。


つづく

2021年9月11日土曜日

リガ, Riga/Riga Record Dig

  [ WAX made in the USSR / first round vol.6 ]

タルトゥから夜行バスに揺られ、ようやくエストニアを抜け出してやってきたのはバルト三国の二ヵ国目ラトビアの首都のリガ。昨晩Ahtoが例のリガのレコードディーラーのオーナーに連絡をすぐに取ってくれたようで、彼と翌日待ち合わせの約束をし、バスの中でずっとレコードリストとにらめっこ。おかげで全然寝れてない。

まだ夜明け前、薄暗いうちにリガに到着しバスからたたき降ろされる。取り敢えず予約してあった宿にチェックイン。そしてヘルシンキのRedhill Recordsの店主が教えてくれた例のリガ駅の後ろの市場、リガ・セントラルマーケットへ早朝ディグに向かいます。

市場は美味しそうなものがいっぱい、ちょっとした食堂で朝ごはん。ここはリガのマイフェイバリットスポットに決定。市場のメインとなる大きな建物の外側にもちょこちょこ様々な店があり、早朝にも関わらず営業中のアンティークショップを一軒発見!店の外からガラス越しにレコードが見えたので入店し一枚購入。

Imants Kalniņš/Dzeguzes Balss、2EU。
昨日Ahtoに教えてもらっていたレコード。ラトビアのロック史における非常に重要なアルバムだそうだ。どこか劇場型でコンセプチュアルな構成、サイケデリック極まりないヒリヒリするA面4曲目がなんといっても白眉。





その後お昼前にディーラーのオーナーと指定の待ち合わせ場所で合流し近くの倉庫へ。その名もRiga Record Dig。事前にコンタクトを取れば訪問可能なようです。倉庫は街区を取り囲むとてつもない大きさの建物の裏側にある、これまた大きな裏庭の中に佇む建物の中の一室にありました。初訪問では案内なしでたどり着くことは不可能。倉庫だけど小さな小部屋。また別の場所にメインの倉庫があるみたい。

眠くてしんどいけど、事前に連絡してあったレコードを見せてもらいました。大した話はしていないけど、オーナーはソビエト時代の音楽に非常に精通していて、その知識量と深さは桁外れだと思われます。欲しいものは大体彼が持っている感じ。因みに日本からくる通販の注文はクラッシックばっかりだそうです。コーヒーをいただきながら13枚購入。

Argo/Discophonia、16EU。
なんだか抜けの悪いキック音。ヘンテコな展開。妙な各楽器のミックスバランスの妙。寸止めの美学。お気に入りのアルバム。リトアニア産のカルト電子ディスコ。

Argo/Žemė L、7EU。
同じグループの2枚目のアルバム。客演の男性が歌うバナキュラーな民謡を最初と最後にフューチャーした慈悲深い雰囲気のオーガニック・エレクトロニクス・チルアウト・ミュージック。

Igor Czerniawski/Discophonia、12EU。
在ポーランドのロシア人シンセサイザー奏者。仄暗く重々しいダウンテンポ、シンセポップからフィードバックノイズまみれのポストロックを10年先どりしたようなアバンギャルドな曲まで。

Mikhail Chekalin/Concerto Grosso - II、8EU。
ロシア人シンセシスト、作曲家の12枚のLPレコードとして発表された実験色色濃い「火星」シリーズの最終作。シンセサイザーと人声を駆使して映像的な空間を構築している逸品。

つづく

2021年6月28日月曜日

タルトゥ, Tartu/Psühhoteek & Gramophonetree Records

 [ WAX made in the USSR / first round vol.5 ]

3泊したタリンを後にし長距離バスでやってきたのはエストニア第二の都市タルトゥ。タルトゥ大学を中心とした小さな学園都市といった感じ。
午後3時くらいに街に着いて向かったのはGramophonetree Records。建物の2階にあるはずなのだけど、建物の扉が施錠されていて開かない。1階のバーの出入り口には学生でしょうか、若者が異常なほど頻繁に出入りしていました。しばらくしてバーの中から2階に行けることに気がつきます。2階は何部屋かに分かれていて結構立派なライブスペースなんかがあったりして、爆音でリハーサルをしていました。
Gramophonetree Recordsに入ると誰もいませんが、しばらくすると写真右の店主が登場。ロック好きの店主の好みが反映されて筋の通ったセレクション。もう閉店時間ということで急ぎ目でロシア物を1枚購入。

Ponomareva Valentina Dmitrievna/Temptation、8EU。
ロシアのジャズボーカリストによるひとり多重スキャットとドローンや謎の鳴り物を駆使し、あの世に逝っちゃってる感がハンパないアバンギャルドな逸品。

翌日市内を軽く観光し終わり、街の西側郊外をぶらぶら街歩き。この街には東ヨーロッパ唯一と言われるレコードプレス工場があります。せっかくなのでちょっくら覗いていきました。

そして夕方に訪れたのはもう一軒のレコードショップPsühhoteek。上の写真の左側Ahtoが営む店です。営業時間はトリッキーということで、Gramophonetree Recordsの店主が事前に電話で確認してくれていました。今の場所は一軒家ぽい邸宅の半地下で営業中ですが、元々はGramophonetreeの入る建物で店を構えていた模様。

Ahtoは10年代以降の感覚のDJ耳を持っているタイプのディガーで、かつスーパーナイスガイ。多くはないですがソビエト時代のいい感じのグルーヴを持ったレコードを確かな審美眼でセレクトしています。

ロシア極東のレコードたち。よくレコード屋の宣伝文句で「辺境」などと形容しますが、何故だかこのスリーブを眺めていると日本のレコードも十分辺境だぞと感じます。

翌日朝にはバルト三国の2ヵ国目のラトビア共和国の予定。ラトビア産のいいレコードを教えてくれます。

次から次へと運ばれてくるオススメレコードをバンバン試聴します。現地の頼れるレコードソムリエが隣にいるとレコード収集が効率化されます。

Ahtoが見せてくれたイギリスかどこかの音楽雑誌をアンチョコとして保存。

コーカサス地方やモンゴルのレアリティも…。いつかたどり着けるのか。

最後にラトビアのリガのオススメ掘りスポットを教えてくれと頼むと、Ahtoもよく買っているというリガのレコードディーラーに連絡してくれるとのことで感謝。ということで5枚購入。おまけでAhtoが大学図書館の放出でゲットしたというNative Sonのジャズファンク色の濃いキラーアルバム「Shining」のソビエト盤をもらいました。

Andrei Rodionov & Boris Tikhomirov/512 Kbytes、10EU。
ロシアの電子音楽コンビ。当時の西側の影響を受けたザ・シンセポップな曲から、おふざけな曲まであり相当な知能犯というのが垣間見れるアルバム。

Zodiac/Music From The Films、8EU。
2本の映画からゾディアックのサントラ物。以前のコズミックディスコ一辺倒のアルバムよりもロック色やアンビエント色が増していてバラエティー化している。


つづく