
アテネのオモニア広場の北東方向に広がる坂がちなエリアは当たり外れはあるけれどとにかくレコード屋だらけ。その中でもオススメはArt Rat Records。狭い店だけどとにかく東欧のプログレなどを中心としたマニアックな品揃え。記憶の中に微かに残る西新宿のGSMの様子を彷彿とさせる。
そんなレコード屋密集エリアから更に遠ざかった場所にあるのがこのVinylCity。
どのメトロの駅からも遠いのでオモニアあたりから路線バスで近づくのが便利。
愛想のいいトボけた感じのヒゲのオヤジさんがオーナー?まずは扱いが低い縦置きのギリシャコーナーをチェック。きびしい…けど1枚だけ収穫。

Λένα Πλάτωνος, Σαβίνα Γιαννάτου/13 Τραγούδια、15EU。
サヴィーナ・ヤナトゥーないの?とオヤジに聞くと、ないと言ったのに出てきた。オヤジはオレは若いから昔のギリシャ音楽は詳しくねえんだとトボける。ヒリヒリと凍てついた地中海冷声アンビエント。いい!

ギリシャコーナーをひととおり見終わり店内の他のコーナーを物色していると、物陰に気になるインデックスを発見!なんと「タイ」と書いてあるではないか。しかもLP200枚くらいある‼︎
興奮してオヤジさんに聞くと20年前くらいにタイで買ってきてそのままずっとあるそう。なんとギリシャで泰物宝の山発見か?!
最近タイでモーラムとかレコード掘ってきたよと伝えると、おもむろにオヤジはYouTubeでモーラムを流し出した!ぱっと見Appleレーベルの作品が多いので期待できそう。閉店時間なので翌日出直すことに。
翌日開店時間ぴったりに到着し、さっそくタイのLPを自前のターンテーブルで試聴開始!
しかし聴けども聴けどもいい曲がない。例の退屈なバラード系ばかり。あれおかしいぞ?とオヤジに投げかけると、なんと「モーラムはねぇ」と言うではないかー!
うろたえながらも仕方なく50枚くらい試聴を続けると1枚だけルークトゥンの出物を発見。

พิมพ์ใจ พรหมมาลี/Unknown、15EU。
バンコクの?マイナーな歌手?検索してもあまり情報が出てこない。とにかく他のより打ってる曲が多く、ポンコツのポータブルでも音圧の異常な高さが分かる。粘って試聴を続けてよかったと思える一品。